米国・代替医療への道 1997
米国健康関連機関・CDC / 米国健康関連機関・NIH / 米国健康関連機関・PAHO / 米国で流行る慢性疲労症候群 / 米国における食中毒対策 / 0-157でオリゴ糖の人気上昇 / 米国で評価高まる日本食 / 急伸するオーガニック市場 / 遺伝子組み換え食品、米国事情 / 米国代替医療<アレクサンダー>療法 / 米国代替医療<蜂毒>療法 / 米国代替医療<色彩>療法 / 米国代替医療<笑い>療法 / 米国代替医療<音楽>療法 / 米国代替医療<祈り>療法 / 人気のハーブ食品、摂取には注意も / 米国で高まるアロマセラピー熱豆腐など大豆製品が「ミラクルフード」として高い人気
ハリウッドやウエストウッドのトレンディなすしバーはいつも健康志向の高そうなアメリカ人で賑わっている。日本食をヘルシーフードのコーナーで紹介する健康雑誌も少なくない。なかでも、その人気ぶりに目を見張るのが「豆腐」。ちょっと変わったところでは、日本で生まれた「カイワレ大根」も静かなブームを呼んでいる。
1987年の全米紙USA Todayに掲載された統計で「アメリカ人の一番嫌いな食べ物」のトップに選ばれた豆腐。それが、最近、「スーパーフード」、「ミラクルメディシン」といった評判で、急速に人気が伸びている。医学界で、心臓病やがんに対する大豆の効用がしばしば報告されるようになったからだ。健康雑誌やウェブサイトで、大豆を使った食品の代表に「豆腐」が名前を連ねる。
米国の豆腐市場は100億円(推定)
権威ある医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」は1995年8月、「豆腐を食べるとコレステロールが下がる」というテキサス大学の研究報告を掲載。メディアが軒並み豆腐を取り上げた影響か、8月以降の売り上げが、通常の20―30%も跳ね上がったという豆腐業者もある。アメリカの豆腐屋の数は全部で約150軒。十分な資料がないため正確な数字はわからないが、推定100億円市場といわれており、健康ブームの波にのり、ここ数年売り上げが着実に伸びているという。
ロサンゼルスの大手日系豆腐やによると、大豆の味や香を豆腐に求める日本人と違って、アメリカ人は、味と香を抑えたものを好む。食べ方も日本人のように「冷奴であっさり」というよりも、くだものと一緒に混ぜてシェイクにして飲むといった感じ。あるヘルスショーで出会ったアメリカ人の女性は、シェイクにして毎朝、豆腐を飲んでいると言う。ほかにも、アメリカ人の味覚に合わせて、豆腐を素材にしたピザ、ラザニアなどのレシピーもだいぶ出回っている。
米国では「カイワレ大根」は毎年2倍の売り上げ
ヘルシーな日本食と注目される中でも変わりだねは「カイワレ大根」。日本の病原性大腸菌O―157問題を対岸の火事とばかりに、実績はすくすくと伸びているという。3年ぐらい前から雑誌などで、美容・健康にいいと取り上げられるようになったのがブームの発端。カリフォルニア州で4年ほど前からカイワレを栽培している日系食品会社では、毎年2倍づつ売り上げが伸びているという。とはいっても一度にそうそう食べられるものではないから、市場はまだまだ小さい。アメリカに日本で生まれたカイワレが初めて上陸したのは約15年前。日本人が東海岸で栽培したが、知名度もなくあまりの需要の少なさに、商売に結びつけるにはコストのかかりすぎで失敗したというにがい経験もある。