米国・代替医療への道 1997

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米国で高まるアロマセラピー熱

  自然療法志向で、アロマセラピーが急成長

西洋医学が主流をいく米国で、医薬品に頼らず自然な方法で健康回復・維持を望む人が、毎年増えている。栄養学や東洋医学への関心が高まりつつある中、ラベンダーやバラなどの植物から抽出したエッセンシャルオイル(精油)を使ったアロマセラピー(芳香療法)は、自然健康産業の急成長株といわれている。

アロマセラピーは古代から行われてきた、心と体を癒す自然療法のひとつ。香りで心身の調子をよくする他、ポプリの甘い香りで客足を誘うランジェリーショップなど、店のイメージ作りにも大いに活用されている。精神科医のオフィスなど医療施設では患者のための環境作りに、また、マッサージやフィットネスと組み合わせて相乗効果を狙うという試みも盛んだ。

クレンジング、ローション、スクラブ、パック、ボディーローション、ソープとスキンケアー用品にも「アロマセラピー」と表示された商品が増えている。中でも人気があるのは、アロマセラピー・ジュエリー。小さなガラスのびんに精油を入れたペンダント、香りのするイヤリング、指輪、ロケットが売れている。インテリアそして部屋の芳香剤をかねたキャンドルは、今ではインテリアショップには欠かせない商品のひとつ。 とにかく、創造力次第で利用法は無数にあるといわれている。

ビジネス目的で、男性のセミナー受講者が急増

商品開発が進み、市場が広がるにつれ、アロマセラピストへの関心も膨れ上がってきている。米国そしてカナダでセミナーを開いているロサンゼルスの「アロマセラピー・セミナーズ」は、初級から上級まで、在宅学習コースから一日コース、修了証明書を発行する5日間コース、趣味またはキャリア志向と、要望に応じたいろいろなクラスを開講している。以前は受講生といえばほとんど女性だったのが、最近ではビジネスチャンスと考える男性受講者が増えてきているという。

現在、商業用で約百五十種類、一般消費者向けに約百種類の精油が販売されている。純度100%の精油は使用を誤ると有毒となる可能性も高い。そこで、米国でも、英国やカナダのようにきちんとした資格を設けようという動きが出始めている。副作用のない自然療法ブームの波に乗り、米国のアロマセラピー熱は高まるばかりだ。