ホットヨガが大人気の理由～ヨガの本場に近い環境で！

ホットヨガとはサウナのようなスタジオで行う場合もあれば、岩盤浴や溶岩浴施設で行うこともあります。普通の環境下ではなく、人工的に高温多湿に作られた空間で行うのがホットヨガです。

ホットヨガの最大の魅力は大量の汗をかくこと。施設にもよりますが、ホットヨガスタジオ内の平均温度は40℃以上、湿度は40～50％以上に設定され、ランニングマシーンで20～30分走ってもかけないほどの大量の汗をかくことができます。

つまりサウナほどではないものの、温浴施設内かインドやタイなどの熱帯地域に近い環境にいるかのような状態です。

そこで60～90分ほどヨガのポーズを黙々ととるわけですが、その空間にいるだけでも汗をかくのに、そこにノンストップでヨガのポーズを加えていくわけですから、体は相当熱くなります。


ホットヨガスタジオに参加している方のほとんどが、男性は海水パンツ、女性も水着のような恰好でヨガをしています。そうした薄着でないと汗で着衣が皮膚にまとわりついてポーズをとることができないためです。

もはや「恥ずかしい」などと言っていられないくらい、とにかく汗をかきます。私自身、ホットヨガの練習後に体重を計るとだいたい１～２kg減っています。

ただ、これは汗をかいて体内の水分が蒸発しただけなので、脂肪が燃焼したというわけではありません。実際、着用しているウエア（私の場合は水着です）は、レッスン後びしょびしょになり大変重くなるため、そのままでは持ち帰るのが大変です。

施設によっては脱水機が備え付けられていて、着衣から大量の水（汗）が出るのが目に見えてわかります。「とにかく発汗したい！」ということが目的であれば、間違いなくホットヨガがおすすめです。


ホットヨガは、実はヨガ発祥の地であるインドには存在しません。これを考えたのはインド人のヨギー（ヨガをする人の意）といわれています。

1970年代に、日本やアメリカなど世界各地でヨガの第一次ブームが起こります。この時、あるインド人が各地でヨガを教えたのですが、日本では寒すぎる、アメリカやハワイでは冷房を多用しているといったふうで、ヨガをする環境にばらつきがあることに不満を感じました。

そこでインドの気候に近い環境を人工的に作り、そこでヨガをしてもらうのはどうだろうか、と思いつきました。そこからホットヨガや岩盤浴ヨガのスタジオが誕生したといわれています。


第二次ヨガブーム（2000年代から現在も続いている）の現在、ホットヨガは一般的になり、ヨガの選択肢の１つとなっています。

ヨガインストラクターも、ホットヨガ専門のインストラクターもいるほどです。ただし、インドから日本やアメリカにやってくる偉大なヨギーやヨガマスターのなかには、このホットヨガに異論を唱える人も少なくありません。あまりにビジネスに走り、あまりに肉体ばかりを重視し、ヨガ哲学やヨガの真髄が置き去りにされていると……。

古来より受け継がれている伝統的なインドヨガと、ホットヨガにはやはり大きな隔たりがあるようです。ホットヨガから入った人が一般的なヨガクラスに参加すると、呼吸法や瞑想に時間をとられたり、全体的な運動量の物足りなさや、座学の多さに辟易することも少なくないようです。

それもそのはず。本来のインドヨガは「幸せに長生き」することを目指しており、ヨガをすることによって「エネルギーをセーブする」ことを目的としています。呼吸はゆっくり、できるだけ汗をかいたり心拍数をあげない、心を静かに、消化もゆっくりといったふうです。

呼吸と感情と体をコントロールし、細く長くゆっくり呼吸をし、ゆったりと生きることを目指しています。

しかしホットヨガはというとその真逆です。心拍数をマックスまで上げ、カロリーを消費する。つまりエネルギーやカロリーの最大消費を目的としています。


私達の体は温めたほうが関節や筋肉が柔らかくなります。例えば、朝一番にストレッチするより、夜の入浴後にストレッチしたほうが動きやすいと感じるはずです。

ですから、ホットヨガが向いているのは、関節や体の硬い人。もちろん普通のヨガクラスにも体や関節の硬い方が参加していますが、ホットヨガのほうが、ポーズがスムーズにとれるように感じるはずです。

また発汗が大好きな人にはもちろんホットヨガがおすすめです。一方、おすすめできないのが、汗をかくのが苦手な人、血圧の高い人、心臓などの循環器系に持病を抱えている人、妊娠中の人などです。

またホットヨガの後はシャンプーをしなければ気持ち悪いと感じるほど、頭皮からも汗をかき、髪の毛もびしょびしょになります。そのためさっと運動してさっと帰る、というわけにはいきません。

この今大人気のホットヨガ。興味がある方は是非体験してみてください。大量の発汗はストレス発散になりますよ。