HOME >美女は骨盤から作られるってホント?

美女は骨盤から作られるってホント?

エステティックサロンで「痩身」や「美脚」コースを選ぶ女性たちが増えています。近年はさらに整体院やマッサージサロンで「骨盤矯正」の施術を選んだり、ヨガやピラティスといったセルフケアメソッドで「骨盤調整」を行うようにもなっています。今回はダイエットに大きく関係する骨盤調整についてお話しします。

骨盤ってどんなパーツなの

近年の「骨盤調整」の人気は、「骨盤の歪み」が自らの体型に悪影響を及ぼしている、という考えが根底にあるようです。下半身太りも、O 脚も、足の疲れやむくみ、ヒールの底がすぐにダメになるのも、さらに腰痛・猫背・下腹ぽっこり・肩凝り・顔の歪みも全て「骨盤の歪み」のせい、ということです。

それほど注目を集める「骨盤」というパーツですが、一体どのような働きをしているのでしょうか。骨盤が歪むことが本当に全身に悪影響を及ぼすのか、そして骨盤をセルフで調整することができるのでしょうか。

骨盤は体の中心に位置しています。体の中で一番大きい骨といわれる大腿骨(太ももの前に位置する骨)と、上半身を支える背骨の間で、上半身と下半身を繋ぐ大きなパーツです。また腸や生殖器といった大事な臓器を守る役割も果たしています。

骨盤は4つのパーツに分かれる

この骨盤は一つの骨の塊ではありません。
骨盤をサイドから掴むと触れることのできる左右の腸骨(ちょうこつ)、手をお尻に回した時に腰のちょっと下でお尻の割れ目のすぐ上の三角形の平らな骨である仙骨(せんこつ)、手を股のところに持っていくと触れることのできる恥骨(ちこつ)、お尻のお肉を掻き出すと触れることのできる左右の二つのコリっとした骨である坐骨(ざこつ)、この4つのパーツに分かれます。

[ 腸骨 ]
腰骨ともいわれ、多くの女性はこの腰骨の横の長さを短く、奥行きを長くすることを目指します。そうすると、キュッと上がったヒップと正面から見てもスリムな脚のラインを維持することができるからです。

骨盤矯正ベルトや、骨盤矯正ショーツ、ガードルなどの矯正下着も、この腸骨の横の長さを左右からギュッと締めることで短くするために使われます。

妊娠中から産後、また月経中もこの幅が広くなります。他にも食べ過ぎることや便秘でも腸が膨張し腸骨の中がいっぱいになり、開きやすくなることがわかっています。

[ 仙骨 ]
仙骨は腰椎(腰骨)の真下にあり、その左右には仙腸関節といわれる関節が存在します。仙骨と仙腸関節は腰痛とも大きく関係しますが、それは骨盤が開閉するときの軸となる動きをしているためです。

つまり仙骨と仙腸関節が扉の蝶番のような役割を果たしているということです。ただし、動くといってもほんの数ミリの可動域とされ、医学的には動かないという説もあります。坐骨神経痛といわれる症状もこのエリアと関係しています。

[ 恥骨 ]
妊娠や出産でズレが生じ痛みを訴える人が多いパーツですが、基本的にはあまり意識されないパーツです。

[ 坐骨 ]
骨盤のなかで最も下部に存在していて、座る時に座面に接するまさに「座るための骨」ですが、柔らかい椅子やソファーに座ること、背もたれによりかかることで、坐骨を使わずに座る人がほとんどです。

本来坐骨で座ることができれば、体に負担はかかりません。しかし坐骨以外の場所で座ることで、猫背はストレートネックを誘発しやすい状態になります。

硬い骨盤なのに、なぜ歪むの?

骨盤が歪む原因は一つではありません。通常の姿勢の悪さ、脚を組むといった癖、カバンを持つ腕の癖などもよく指摘されます。もちろんそれもあるでしょう。しかし根本は足裏にあるとされています。

扁平足、外反母趾、浮き指といった足裏のアンバランスを放置しておくと、歩くほどに骨盤は歪むのです。例えば扁平足の人はかかとに重心がかかりやすく、歩行時に音が大きくなりますが、これでは地面をまっすぐに蹴って歩くことができません。

足先はわずかに外側に流れてしまうので、このねじれ歩行を続けるうち、股関節の外側に位置する「大転子」がどんどん外側にずれ、骨盤が左右に広がってしまいます。

自分ではそんなことにはないと思っても、日本人の8割がO脚であるといわれています。これは女性だけでなく男性にも多いです。

足の冷え、むくみ、下半身だけやせないといった問題も原因はO 脚にあることが多く、O脚は足裏の歪みが作っていることがほとんどです。

スネの外側が張る感じがするのもO脚傾向にあり、足先が方向時に外に流れているからです。扁平足、浮き指、外反母趾、足裏の角質が溜まっていて硬くなっている、という人は要注意です。

骨盤が歪んでいるかどうか自身でチェック

このように、骨盤の歪みは足裏、O脚、そして日常の体の癖にありますが、以下もチェックしてみてください。当てはまることが多いほど骨盤の歪みが強いといえるでしょう。

□ いつもおなじ脚を組んでしまう
□ パソコンのデスクトップが自分の正面にはない(状態をややねじって画面を見ている)
□ 電車のドア、洗面台、調理場ですぐに前後によりかかってしまう
□ ガニ股やO脚気味(靴底が斜めに減る)
□ 靴底の減り方が左右で異なる
□ 口や目などの顔のパーツが曲がっている
□ 姿勢が悪いと言われる
□ スカートがくるくる回ってしまう(歩行時、または座っているだけでも)

簡単なセルフ骨盤調整法

骨盤矯正や骨盤調整ヨガのクラスを受けても、自身の日常の生活が骨盤を歪ませるものであれば、得られた効果は維持できません。やはり足裏をこまめにマッサージしたり、正しい歩き方をマスターしたり、扁平足や外反母趾を治すことが根本解消の鍵となります。

しかし毎日の骨盤調整ケアはセルフストレッチでも十分可能です。以下の5つのポーズを続けてみて、歩き方や足裏の使い方が変わってくれば、上記でチェックした骨盤の歪みによる問題が解消されていくはずです。

  • ひざを抱えて真横に開く(膝裏は伸ばさない)を繰り返す(片脚5分位を両足)
  • 正座をした状態からそのまま仰向けに寝る(腰が浮き過ぎる、腰が痛い、膝が浮く場合は背中にクッションを入れる)。この状態で5分を目安に休む。
  • 恥骨の前で足裏と足裏を合わせ、体を上下にゆらしながら、膝が床につくのを目指す。さらに前屈をする。足裏をしっかりつかんで行うとよい。
  • 片脚を開脚し、体を伸ばした脚の方に倒す。徐々に脚を真横に倒せるようにしていく。
  • 左右開脚をしたら両足を開脚し、胸が床に着くのを目標に前屈をする。
この5つの運動はできれば毎日お風呂上がりから寝る前の時間に行うことをおすすめします。特に開脚は骨盤内の大腿骨の位置を整える働きがあり、上半身と下半身、つまり全身のバランスを整えます。

そして下半身の血流やむくみ予防にも効果的です。モデルや女優さんが下半身のストレッチやヨガ・ピラティスを日々の生活に取り入れているのは、ダイエット目的だけではなく毎日状態の変わる骨盤を密かにケアしているのかも知れません。



YOGA / ヨガ

すらり美ボディ

UP