HOME >すらり美脚、「遅筋」を意識して!

すらり美脚も減量も、「遅筋」を意識して!

すらりと伸びた美脚にきゅっと上がったヒップラインはすべての女性の憧れです。そんなボディラインになると話題のエクササイズが「スクワット」です。今回は効果的な「スクワット」についてお話しします。

スクワットが一番良いって本当なの?

スクワットはとても素晴らしいエクササイズですが、やり方を間違えると膝の怪我につながったり、競輪選手のようなムキムキな太ももにもなりかねないのでちょっと注意が必要です。

普段あまり運動習慣のない女性は特に気をつけなければなりません。スクワットだけではありません。体の使い方を間違えると、普段の「歩く」「座る」「(階段を)上る」といった日常の動作にでも、怪我やムキムキ太ももを育んでいる可能性が少なくないのです。

運動後に筋肉痛を感じやすいパーツはどこ?

たまにスクワットをしたり、気合いを入れてウォーキングをしたり、ジョギングをしたりすると、翌日どこが筋肉痛になりますか?「太ももの前側」あるいは「太ももの外側」と感じる人は要注意です。

太ももの前側と外側の筋肉を「大腿四頭筋」といいますが、この筋肉は筋トレなどをしなくても必要以上に負荷がかかり鍛えられている筋肉です。

例えば、ハイヒールを履いていると、前に滑るのを防ぐために太ももの前側は無意識に力が入っています。この大腿四頭筋は足をあげる動作の時に使われる筋肉であるため、歩く、(階段を)上る、またぐ、といった日常の動作でも十分鍛えられています。

多くの人は日常の動作でこの筋肉ばかり使っているため、筋肉量がアンバランスになりがちで美脚からは遠のいていきます。

ではどうすればいいのでしょうか? 同じ脚の筋肉のなかでも意識しなければほとんど使われないのが「内もも」と「後ろもも」です。

内ももは「内転筋群」、後ろももは「ハムストリングス」といいます。これらの部分は普段意識して働かせることが難かしい部位で、例えば椅子にすわっていても足が自然に開いてしまうのは、「内転筋群」が働いていないからです。

また正しい歩き方やスクワットを行えば、前ももではなくハムストリングスが筋肉痛になるはずですが、普段の通勤や通学でハムストリングスに刺激を感じている人はほとんどいないのではないでしょうか。

特に「内転筋群」はO脚を改善する、脚のラインをまっすぐにする、骨盤底筋群を引き締める(若い女性に増えている尿漏れや生理痛の改善に役立つ)、骨盤を安定させる、骨盤の歪みを取り除く、ヒップアップする、といったことに関係している筋肉であるため、ぜひとも積極的に鍛えたい筋肉です。

ポイント: 内もも(内転筋群)と後ろもも(ハムストリングス)を普段から意識して使うことが美脚につながる!


内転筋群を効率的に鍛えるには「ガニ股」がポイント?!

内転筋群を鍛えるために、日常の生活を含むすべての運動を内股気味で行うことをやめる必要があります。内股であればあるほど大腿四頭筋ばかりが使われてしまうからです。

「私は内股ではない」と思う人でさえほぼ内股です。バレリーナのように踵と踵、そして膝と膝をくっつけて、足先を外に180度開けない場合は内股気味といえるのです。

このバレリーナの足の型をプリエといいますが、試しにこの脚の形をとってみるとすでに骨盤周り、内転筋群、ハムストリングスにピンと刺激を感じる人も少なくないはずです。

ちなみにO脚の人は例外なく太ももの外側が張り出していますが、それも要するに内股であり、大腿四頭筋ばかり使っているからです。運動経験の有無に関係なく、また上半身は貧弱なのに、いわゆる「下半身デブ」という状態の場合が多いのです。

逆に日常生活ではガニ股気味のほうが内転筋群とハムストリングスを働かせることができます。バレリーナは常にガニ股ですが、引き締まった脚をしていますよね。

歩く時にも少しガニ股を意識し、内転筋を意識するとほっそり美脚に近づけるのです。では椅子に座った姿勢ではどうでしょうか。無意識に椅子に腰掛けると内股が開きます。

この状態ではどこにも力が入っていないように感じますが、前ももの肉は外に流れ、これだけでも大腿四頭筋に負荷がかかり外側に肉が張り出していくことにつながります。

一方、両膝を閉じて内ももを締めて座ると内転筋が引き締まります。この時内転筋群をより引き締めるために、内ももにあえて雑誌などを挟んで座るとさらに内転筋群が強化されます。

ちなみにある年のミス日本準優勝に輝いた女性は、座る時にいつでも膝から内ももに電話帳を挟んで20kgダイエットに成功したという話で有名になりました。美脚になるだけでなく減量にもつながるこれら2つの筋肉に注目しないわけにはいきませんね。

ポイント:内もも(内転筋群)を引き締めると、美脚だけでなく減量にもつながる!


なぜ内ももやハムストリングスを鍛えると痩せるの?

減量につながる筋肉。つまり筋肉の質についても考えてみる必要がありそうです。私たちの筋肉は、どの筋肉も「早筋」と「遅筋」から成り立っていますが、この「早筋」と「遅筋」はそれぞれ役割が違います。

「早筋」は無酸素運動、ダッシュ、腕相撲、一瞬でバーベルを上げるといった素早い運動に使われる筋肉である一方で、「遅筋」はマラソンのような有酸素運動や良い姿勢を維持するために使用される筋肉です。

筋肉のなかでも「早筋」が多いとムキムキマッチョのボディビルダーやラグビー選手のような体に近づき、「遅筋」が多いとスリムでしなやかなバレリーナやマラソンランナーのような体になります。

そのため美脚だけでなくスリムでしなやかな体を目指すには、より「遅筋」を意識してトレーニングするとより効果的になります。しかし「内もも」や「ハムストリングス」が「遅筋」ということではありません。

「内もも」にも「ハムストリングス」にも「早筋」と「遅筋」の両方が含まれています。ですから、ポイントは「遅筋」を鍛える方法をとりこみ、内ももやハムストリングスのなかの「遅筋」の量を増やしていく、というところにあります。

「早筋」を鍛える方法は「重い負荷と早い動き」です。ですから重めのダンベルを持って素早く上下するといった筋トレ運動は「早筋」を鍛え、ムキムキに近づくための運動です。

一方、「遅筋」を鍛える方法は「小さい負荷で、ゆっくり」です。つまりスクワットもゆっくりと呼吸に合わせながら行うのが理想的なのです。例えば、4秒かけてしゃがみ4秒かけてあがる、というくらいのペースです。

しかもこの「遅筋」が脂肪を燃焼する作用は「早筋」の数倍高いことがわかっていて、「遅筋」を使用したほうが減量効果が高いことがわかっています。どんな運動も日常生活も、できるだけゆっくり優雅に、少ない負荷で「遅筋」を意識して行うとよりスリムになれるというわけです。

ちなみに「遅筋」は先にも述べたように姿勢を保つ筋肉でもありますから、美姿勢を維持するところからはじめるだけでも十分効果的です。

ポイント:「遅筋」が脂肪を燃焼する作用は「早筋」の数倍高い。「遅筋」が多いとスリムでしなやかな体に!


これが美脚&減量スクワットの正しいやり方

それでは最後に、すらり美脚のためのスクワット方法をまとめておきます。

  1. まずは足を内股ににしない。足先を真っすぐにするか、やや外向きにする。
  2. スクワットをしながらしゃがんでいく時に、膝の位置をできるだけ変えない。つま先より前に出さない。お尻を後ろに引く、椅子に座るように引いていく。
  3. 股関節の付け根を下腹部と太ももで挟む意識ができるところまで下げると、だいたい膝とお尻の位置が平行になる。形としてはアルファベットのZをイメージする。
  4. そこまで下がる時に姿勢を決して猫背にしない。
  5. これをできるだけゆっくり、呼吸を止めないで行う。
  6. 同じように背筋、膝を動かさずに元の姿勢に時間をかけて戻る。
これで10回ほどスクワットをしてみてください。お尻や太ももの後ろに意識を感じやすいのではないでしょうか。少し意識をかえるだけで日常生活でも美脚を目指せるポイントがたくさんあります。ぜひ普段の座る、歩くから変えてみてくださいね。



YOGA / ヨガ

すらり美ボディ

UP