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時計遺伝子「ビーマル1」をダイエットに活かす

インドの伝承医療であるアーユルヴェーダでは時間ごとにすべき健康法や美容法、体操法などが細かく記されています。

そしてなぜ時間ごとに異なるのかを調べてみると、そこに私たちの「体内時計」の働きが関係していることがわかります。

今回は時計遺伝子「ビーマル1」のダイエットへの活かし方についてご紹介します。

体内時計が日常生活をコントロール

私たちの体内には「体内時計」が備わっています。この体内時計はホルモンや体温、消化や自律神経系、といった私たちの意志ではコントロールできないものが規則正しく動くようにコントロールしてくれています。

朝目が覚める、何もしてなくても昼頃にはお腹が空く、夜眠くなる。朝は交感神経のスイッチがオンになり体温や血圧が上昇します。夜は副交感神経のスイッチがオンになり体温や血圧が低下していきます。

こうしたことは私たちの意志に関係なく、体内時計により自然にそのような状態になります。そして体はこのリズムをできるだけ維持しようとしています。

それをホメオスタシス(恒常性)といいます。ただ、私たちはこのホメオスタシスをコントロールすることはできません。しかしその働きがスムーズであり続けるために、サポートする必要があります。

「規則正しい生活」で体内時計が正常化

体内時計、そしてそれを維持しようとするホメオスタシスをサポートする最も有効な方法は「規則正しく生活をする」ということです。体内時計をできるだけ正確に動かし、それを維持することができれば、私たちの体も自然なリズムになるため、生活がよりスムーズで快適になります。

例えばだいたい決まった時間に自然に目が覚めるようになったり、毎日自然に同じ時間に排便できるようになったりします。

とくに美容やダイエットで嬉しいことは、体内時計とホメオスタシスが正常であるならば「食べても太りにくい時間」と「食べると太りやすい時間」が体の中で存在するようになります。逆に体内時計が正確に働いていないと、食欲や消化吸収にも悪影響を及ぼし、いつ食べても太りやすい、ということにもなりかねません。

「ビーマル1」が少ない時間帯、脂肪を貯め込まない

こうした体内時計は体のどこに存在するのでしょうか?
体内時計の研究がはじまったばかりの頃、それは「目」にあると考えられていました。目は「見る」ためだけの器官ではなく「時計」であることがわかったのです。

ちなみに英語では時計のことを「watch」といいますが、動詞の「見る」も「watch」です。現在、体内時計の研究は進み、体内時計は目だけでなく私たちの体を構成する60兆個の細胞すべてに存在していると考えられています。

体内時計の1つで有名なものが「ビーマル1」と呼ばれる時計遺伝子です。体内に「ビーマル1」が少ない時間帯ほど脂肪を貯め込みが少なく、逆に「ビーマル1」が多い時間帯ほど通常の20~50倍も脂肪を貯め込みやすくなることが分かっています。

つまり「ビーマル1」が多い時間帯には食事を控え、「ビーマル1」が少ない時間にしっかり食事を摂る、というリズムができれば、太りにくい体を維持できるということになります。

「ビーマル1」、最も増加は21時ごろ

それでは「ビーマル1」は一日のなかでどのように変動しているのでしょうか。毎朝6時に起床し、24時に就寝するという人の場合で調べてみました。ピーク時を100とすると、まずは起床時が40くらいです。

そこからどんどん下がっていき、「ビーマル1」がほぼゼロになるのが13時ごろ。つまり起床後7時間で最も少なくなります。18~20時くらいまで低め(20~40くらい)状態が続きますが、逆にそこから急激に増加します。

そして「ビーマル1」が最も増加するのが21時頃。起床後15時間後~17時間後です(60くらいから真夜中には100まであがります)。この研究から分かることは、朝ご飯、昼ご飯、おやつ、夕ご飯までは太りにくい。夜食、深夜食は太りやすいということです。

これまでは「何を食べるか」ばかりを気にしていましたが、ワンランク上の健康美を求めるのであればこれからは「いつ食べるか」についても考えなければいけません。

夕食は遅くとも20時までに

アーユルヴェーダでは朝は排泄の時間と考え、フルーツや白湯といった消化の良いものだけを少量食べるか、何も食べなくてもOKとしています。「ビーマル1」的にはこの時間は太りにくい時間帯ですから、朝ご飯をしっかり食べても問題ないということになります。

アーユルヴァーダ的に最もしっかり食べるべきとされる少し早めのランチタイム(10時以降)は「ビーマル1」が最も少ない時間帯と一致し、やはり3食のなかでランチにある程度ボリュームを持たせることは、太りにくいだけでなく体にとっても健康的なことだと言えるでしょう。

また夕食についても18時を目安に、どんなに遅くとも20時までに食べるのがベターといえそうですが、これもアーユルヴェーダの考えとほぼ一致します。早めの夕食のせいで21時以降に夜食やおつまみを食べるのはタブー中のタブーです。

「ビーマル1」は各自の体内時計に依存する

21時以降の飲食は、最も太りやすい時間であるだけでなく、食べた物はどんどん脂肪に変えられてしまう遺伝子が働き、さらに睡眠の質にも悪影響を及ぼします。もちろん誰もが6時に起きて24時に寝ているわけではありません。大事なことはこの「ビーマル1」は「各自の体内時計に依存する」ということです。

例えば毎朝5時に起きている方であれば、「ビーマル1」が最も高くなるのが20時、毎朝10時に起きている人であれば、「ビーマル1」が最も高くなるのが25時(深夜)となります。

大事なことはこのリズムが狂わないように、朝型なら朝型、夜型なら夜型で規則正しく生活することです。また自分の生活リズムから起床後7時間後【ビーマル1が最も低くなる】と、起床後15時間後【ビーマル1が最も高くなる】を把握し、その時間に食べる、食べないというメリハリをつけることです。「ビーマル1」を味方につければ苦労なくダイエットを継続できるはずです。


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