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アンチエイジングにダイエット、がんリスク低下まで野菜の多彩な効用
8月31日「ヤサイの日」、「野菜たっぷり350(サンゴーマル)運動」の宣言

2010年8月8日(日)、東京ビックサイトで「癒しフェア2010」が開催。「オーガニックライフでダイエットに成功!」と題したトークショーに女優の杉田かおるさんが登場し、有機野菜・果物を中心とした食生活など自身を変えたオーガニックライフについて語った。8月31日(火)には、「野菜を食べよう〜メタボ撲滅―シンポジウム2010」が開催、アンチエイジングからがんのリスク低下まで野菜の多彩な効用が示された。

野菜・果物を加熱しないローフードという摂り方

野菜は大がつくほど嫌いだったという杉田さん。それが、体重が60キロを超え、女優生命に危機感すら覚えるようになった頃、番組のダイエット企画から、野菜の効用について知ることになる。

40代、無理なダイエットはできない。そこで、周囲から薦められたのが有機野菜に果物だった。これなら食べられると、栄養をしっかり考えたダイエットの勉強を本格的に始める。その中で、杉田さんが得心したのが、世界で1200万部売れた栄養学のバイブルともいえる書、『フィット・フォー・ライフ』(グスコー出版)。そこで、「酵素栄養学」を知る。オーガニックの野菜・果物を加熱しないで摂るローフードという料理法を実践した。

食物に含まれるさまざまな酵素は熱に敏感で、摂氏54.4℃以上(47.7℃で活性を失う)になると死滅してしまう。それ以上の高温で調理された食べ物は酵素のパワーが全て失われ、食べ物のとしての栄養的価値が損なわれる(『フィット・フォー・ライフ』より)。

「酵素栄養学」をベースにしたローフード料理教室に通い、さらに、静岡県の農園の野菜塾にも月2回参加、自身でも野菜の栽培を行うほどのめり込んでいく。

結果的に、有機野菜・果物のローフード食で、杉田さんは、2ヶ月で10キロの減量に成功。美容面では、髪の毛はツヤツヤ、割れやすかった爪のトラブルもなくなり、精神面でも、攻撃性が薄れ、人の話を素直に聞けるようになったという。

今では食事だけでなく、洗剤などの生活用品もオーガニックに切り替えた。早寝早起きの習慣も身に付き、生活からムダなものが削ぎ落とされたと語る。

もっと野菜を食べよう〜8月31日「ヤサイの日」、「野菜たっぷり350(サンゴーマル)運動」宣言

8月31日(火)、東京都ヤクルトホールで、「野菜を食べよう―メタボ撲滅―シンポジウム2010」(主催:社団法人日本栄養士会)が開催された。8月31日は「ヤサイの日」、「野菜たっぷり350(サンゴーマル)運動」が宣言された。

「野菜による生活習慣病予防とアンチエイジング」と題した講演では、吉川敏一氏(京都府立医科大学消化器内科学教授)が、「摂取カロリーを通常の食事の30%抑えるだけでもアンチエイジング効果が得られる」と述べた。アンチエイジング研究では、すでに周知という。

サルに、1)通常の食事(満腹と感じる食事)、2)通常の食事より70%程度低いカロリーの食事、のどちらかを与える実験を20年に渡って行ったところ、1)は38頭中14頭が20年後に死去、2)は38頭中5頭しか死ななかったという。

またがんや糖尿病などの疾病も低カロリー食のサルは極端に少なく、顔の表情や毛のツヤなど見た目にも大きな違いが現れたという。

カロリーを抑えて十分な栄養を摂るには、ふだんの食事の中で野菜・果物の摂取比率を高めるのが良策といえる。
肥満が起因の心臓病や糖尿病に悩まされていた米国では、国を挙げて「一日に5皿以上の野菜(350g)と200gの果物を食べよう」をスローガンに「5 a day」運動を展開、禁煙キャンペーンと相まって、がん罹患・死亡率の低下でも成果をあげた。

2003年、WHO(世界保健機構)は「生活習慣とガンの関連」を発表したが、その中で、がんのリスクを下げる要因として可能性が高いものに「野菜・果物」を挙げている。野菜に含まれる抗酸化物質や食品機能ががんのリスク低下に有用であることが証明されている。


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