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医療費対前年1.9%増、過去最高の34.1兆円に
平均寿命も過去最高、男性79.29歳・女性86.05歳

平均寿命の延びと医療費の増大は比例するのか。先頃、厚生労働省が2008年度の医療費と日本人の平均寿命を公表。医療費、平均寿命ともに過去最高となることが分かった。超高齢化時代を迎え、さらに予防意識を高め、健康管理に努めることが必要となりそうだ。

日本女性の平均寿命、24年連続世界一

17日、厚労省は、2008年度の概算医療費を公表した。それによると、2008年度は34.1兆円(対前年比1.9%増)で、過去最高となった。中でも、70歳以上の占める医療費の割合が大きく、全体の43.5%、14.8兆円となった。

また、16日には「平成20年簡易生命表」を公表。2008年度の日本人の平均寿命は男性79.29歳、女性86.05歳となることがわかった。こちらも過去最高で、3年連続の更新となる。

海外との比較では、男性が世界第4位、女性は1985年以降、24年連続第1位となった。ちなみに、男性のトップはアイスランドで79.6歳、以下スイス79.4歳、香港79.4歳、日本79.29歳、スウェーデン79.10歳と続いた。また女性は日本以下、香港で85.5歳、フランス84.3歳、スイス84.2歳、イタリア83.98歳となった。
<参照>
「平成20年度医療費の動向」「平成20年簡易生命表の概況」

緑茶に大豆に穀類、健康効果続々

平均寿命の延びと医療費の増大の相関は明らかで、超高齢化時代を迎えた今、疾患予防の意識をさらに高めることが必要となりそうだ。

日本人女性の平均寿命は24年連続世界第1位となったが、男性と同様、穀類や大豆、緑茶など日本人の伝統食が果たした役割は大きいといえる。 最近の報告でも、緑茶ポリフェノールのがん防止に有用であると、Cancer Prevention Research誌09/7月号で報じている。

緑茶に含まれるカテキン(ポリフェノール属)はepicatechin、epicatechin-3-gallate、epigallocathechin、epigallocatechin-3-gallate(EGCG)の4種があり、中でもEGCGは構成ポリフェノールの40%を占める。緑茶の抗酸化作用はEGCGからもたらされる。

Louisiana State University研究者グループが、前立腺がん全摘手術を控えた前立腺がん患者26症例(41歳から72歳)に、epigallocatechin-3-gallate(EGCG)800mg入り、さらにそれより少ない量のepicatechin、epicatechin-3-gallate、epigallocathechinを含むカプセルを平均34.5日(全摘手術の前日まで)投与した。

患者の血清中のHGF(肝細胞増殖因子)、VEGF(血管内皮細胞増殖因子)、PSA(前立腺特異抗原)値を測ったところ、それぞれ有意な減少を示したことが分った。中には30%以上も値が低下した症例もあったという。

また、Respiratory Research誌09/7月号では、大豆が肺疾患の予防に有用であると報じている。 日本およびオーストラリアの研究者グループが、日本人で50歳から75歳の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者、340症例(男性272人、女性68人)を調べた。

被験者全員に食品摂取状況やライフスタイル調査を行い、とくに調査日前5年の大豆摂取状況を尋ねたところ、COPD患者は対照群に比べ、大豆の摂取度が有意に低いことが分ったという。

穀類の食物繊維、高血圧のリスクが低下

Nutrition Research誌09/5月号では、納豆の酵素、ナットウキナーゼが心臓病予防に有用であると報じている。Changhua Christian Hospital研究者グループが被験者45人を、健康被験者群、心臓病(CVD)リスク要因保持群、透析患者群の3群に分け、ナットウキナーザ800mg/日を2ヶ月間投与した。

フィブリノーゲン、血液凝固第Z因子、血液凝固第[因子の値を調べたところ、健康被験者群ではそれぞれ、9、14、17%、CVDリスク要因保持群で、7、13、19%、透析患者群は10、7、19%低下したことが分ったという。

また、穀類の食物繊維、ブラン(ふすま)は高血圧症予防に有用であると、American Journal of Clinical Nutrition最誌09/7月号で報じている。 Harvard School of Public Health研究者グループは、40歳から75歳で高血圧、がん、卒中、心臓病と診断を受けていない医療従事者(男性)31,684人を18年間観察した(期間中、9,227症例が高血圧症と診断)。

全粒穀類摂取について調べたところ、最多摂取群は最少摂取群に比べ、高血圧のリスクが19%低下していることが分ったという。


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