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ピロリ菌感染者、喫煙習慣あると胃がんリスクさらに高まる 4月6日付けの朝日新聞によると、ピロリ菌感染者で喫煙習慣があると胃がんリスクがさらに高まるという。九州大の研究グループが福岡県の住民を対象にした長期追跡調査で判明したもので、とくに非喫煙者でピロリ菌感染のない人と比べると11倍のリスクがあるという。
胃がんリスク、ピロリ菌感染者は非感染者の2.7倍、喫煙者は非喫煙者の1.8倍
調査では、88年-02年にわたり、福岡県在住の40歳以上の男性約1,000人を追跡した。うち半数が喫煙者でピロリ菌感染者は77%。期間中、68人が胃がんを発症している。 胃がんリスクをみると、ピロリ菌感染者は非感染者の2.7倍、喫煙者は非喫煙者の1.8倍となった。また、ピロリ菌感染・喫煙者は、ピロリ菌非感染・非喫煙者と比べると、胃がんリスクが11.4倍になったという。 ピロリ菌感染者は40歳以上で70%といわれる。一説には、世界の人口の半分がピロリ菌に感染しているともいわれる。胃潰瘍といえば、ストレスが起因する代表的な病気とされているが、ピロリ菌の関与も指摘されている。また、胃がんについてもピロリ菌が有力視されている。 他にも、ピロリ菌が偏頭痛の原因であることが報告されている。第12回偏頭痛国際会議(1998年)でイタリアのトリノ大学研究者グループが37人の患者を対象に行った研究で、偏頭痛患者は、偏頭痛を経験したことのない人に比べピロリ菌感染が多かったと報告している。 ピロリ菌感染、ビタミンC濃度と関連
今回の九州大研究グループの調査では、ピロリ菌感染に加え、喫煙でより胃がんリスクに曝されることが判明したが、有効なピロリ菌対策はあるのか。
また、2005年のFrontiers in Cancer Prevention Research学会で、ピロリ菌減少にブロッコリーが有効であることが報告されている。
また、ピロリ菌とビタミンC濃度との関連性も報告されている(Journal of the American College of Nutrition誌'03/8月号)。 報告によると、3人に1人が過去にピロリ菌に感染した兆候を示しており、特に白人グループでは、ビタミンC濃度が上がると、ピロリ菌感染の危険性が低下することが分かったという。またビタミンC濃度がもっと高かったグループは、感染率が25%低かったことも分かったという。 他に、ドイツの研究者グループが、18歳から88歳までの男女1千785人を対象に調べたところ、毎日ワインを飲む被験者にはピロリ菌が42%少なかったことを報告している。 (Epidemiology誌99/4月号)。
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