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赤ワインのポリフェノール、レスベラトロールに相次ぐ有用性報告

赤ワインのポリフェノール、レスベラトロールに関する有用性報告が相次いでいる。赤ワインの健康への有用性については、これまでにもアルツハイマー病やアンチエイジングなどへの関与も報告されている。

がんや肥満予防にも関与

赤ワイン等に含まれるポリフェノールの一種、レスベラトロールはブドウを カビから防ぐ作用で知られる。
先頃、赤ワイン成分のレスベラトロールは結腸がん予防に有用であるという研究報告が、71st Annual Scientific Meeting of the American College of Gastroenterologyで発表された。Stony Brook University研究者グループによるもので、赤ワインおよび白ワイン愛飲者360人のデータを分析したところ、赤ワイングループでは結腸がんリスクの68%減少に関連していることが分かったという。研究者らは、レスベラトロールによる効用と考えているという。

また、Nature最新号でもマウス実験で、赤ワインのポリフェノール、レスベラトロールが肥満を防止し、寿命を伸ばす可能性が高いことを報じている。Harvard Medical School研究者グループが、中年のマウス(52週)に(1)通常のエサ、(2)高カロリー(脂肪)のエサ、(3)高カロリーのエサ+レスベラトロールのどれかを与えたところ、60週の時点で、(1)と(2)の生存曲線はそれていき、(3)の曲線は3〜4ヶ月先に伸びたことが分かったという。

この他、レスベラトロールの有用性については、 ハーバード大学の研究グループが、レスベラトロールが細胞の寿命を増大させ、老化を遅らせ ることを報告している。

実験室の研究で、レスベラトロールがカロリー抑制の働きを示し、DNAの 安定性を増大し老化を遅らせる酵素を活性化させているという。これにより、 寿命は70%増大すると研究グループは考えている。

また、レスベラトロールがアルツハイマー疾患の進行予防に役立つという研究報告もある。
アルツハイマー症の原因としては、現在「βアミロイド蛋白説」が最も有力視 されている。βアミロイド蛋白は幾つかのタンパク質のカスのかたまり が沈着したもので、神経細胞を殺す毒性があるといわれている。

Litwin-Zucker Research Center for the Study of Alzheimer's Disease and Memory Disordersの研究者グループが、レスベラトロールは、アルツ ハイマー病患者の脳内に見られるβアミロイド蛋白の生成を止めはしないが、分解 を促進し、しかも他の抗酸化剤の中では作用が群を抜いていたと報告している(The Journal of Biological Chemistry 誌)。

他にも、ニューヨークの研究グループが、1991〜1996年、マンハッタン在住 の高齢者980人のデータを分析したところ。4年間の追跡研究期間で、260人が痴呆症 を発症、うち199例がアルツハイマー疾患で、61例は卒中原因の痴呆症だったが、 調査の結果、ワインを全く飲まないグループに比べ、1日3杯飲んだグループは アルツハイマー疾患の危険性が45%減少していることが分かったと報告している。

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