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1〜3歳時の朝食抜き「1割」、「欠食」「偏食」傾向明らかに
母親の妊娠前の「食育」が必要

6月29日に厚生労働省が発表した「平成17年度乳幼児栄養調査結果の概要」で、1〜3歳時で朝食抜きが1割を占めることが明らかになった。また、毎日野菜を食べない子供が4割、果物は6割を占めるなど、「欠食」や「偏食」が進んでいる状況が浮き彫りとなった。

4歳未満の子ども2,722人を分析、母親の食習慣が強く影響

調査は全国の乳幼児の栄養摂取や食事の状況等の実態を調査したもの。「平成17年国民生活基礎調査」で設定された地区から無作為抽出した約3,000世帯 の4歳未満の子どもを対象に、回答を寄せた2,722人を解析した。
その結果、朝食の欠食傾向がみられる子どもは9.4%、うち2%が「週に2,3日は食べる」、2%が「ほとんど食べない」となった。

母親の朝食習慣との関連をみると、親が「毎日食べる」場合、欠食がみられる子どもは6.0%だが、 母親が「週に2,3 日食べる」「ほとんど食べない」場合は、それぞれ29.7%、29.8%と、母親の欠食が子供に影響していることが明らかとなった。
また、野菜を毎日食べない子どもが4割、果物では6割を占めることも判明。「偏食」傾向が進んでいる状況が浮き彫りとなった。

昨年7月、食育基本法が施行、「「食」に関する知識を深め、健全な食生活を実践することができる人間を育てる」ことが掲げられた。

今回の調査で、「食育」について尋ねたところ、「家庭での食事や生活を通して、子どもが健康的な食習慣を身につけていくことができ ると思う」と76.7%が回答。取り組みが必要な機関では、「保育所・幼稚園」が85.8%、「小・中学校」66.8%と高い期待を寄せている ことが分った。

子ども以前に、母親の「食育」が急務

近年、少子化が進むとともに、低出生体重児(出生時体重2.5kg未満)の出現率の増加など幼児を取り巻く状況が深刻化している。そうした背景要因に、妊娠適齢期女性の「喫煙」と「低栄養による痩せ」があると指摘されている。

妊娠中の女性の喫煙や受動喫煙は、胎児の発育のリスクファクター(危険因子)となることはすでに明らかになっている。
また、ダイエット志向から若い女性が低栄養になり、低出生体重児の出現率が高まっていることも近年懸念されている。子どもの「食育」以前に、まず母親の「食育」が急務といえる。


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