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日本におけるCAM(相補・代替医療)の利用状況

5月17・18日の両日、川崎市産業振興会館で「第3回JIM大会2003」(主催:日本統合医療学会(JIM))が開催された。当日、「21世紀の統合医療・予防医学」をテーマに、日本におけるCAM(相補・代替医療)の利用状況など、医療統合への進捗状況が報告された。

8割弱の日本人が過去一年間に何らかのCAM(相補・代替医療)を利用

はたして、西洋医療は限界なのか---。
1993年、米ハーバード大学のアイゼンベルグ教授らが米国における西洋医療以外の医療、CAM(相補・代替医療)の利用人口を調査したところ、1990年には34%と、90年代に入って米国民の3分の1以上がCAMを利用している状況が明らかとなった。その後、1997年には42%とさらに増えている。

この背景には、米国民の15%が無保険者のため、高額な医療費を支払う代わりに、副作用のない、安上がりで有効な代替医療を求め始めたという状況がある。

一方で、米政府もGNPの15%にまでかかりつつある国民医療費高騰の抑制のために、伝統・伝承医学、代替医療の有効性の検証および推奨に本腰を入れざるを得なくなり、有効性の立証された代替医療と西洋医療との統合化に本格的に着手するようになった。

こうした動きは、米国のみならず世界的な潮流となりつつあり、ここ数年日本の医療界でも徐々に医療統合化への機運が高まりつつある。

しかしながら、大会初日、JIM代表の渥美和彦氏は、「統合医療の総合的研究を推進する」と題した基調講演で、「統合医療は世界の医療の大きな流れになりつつあるものの、日本は鎖国状態にある」と指摘。その要因として、1)国民皆保の医療制度、2)西洋医学中心の医学教育、の2つが医療統合化への足枷になっているとした。

日本における「代替医療の利用」の現況はどうか。
これに関して、山下仁氏(筑波技術短期大学付属診療所)が、「日本における相補代替医療の利用状況」について、2001年4月の電話調査結果を報告。20〜80歳の日本人を対象に調査したところ、76%の日本人が過去一年間に何らかのCAM(相補・代替医療)を利用したことがあると回答したと報告。

内訳としては、栄養ドリンク43%、サプリメント43%、健康器具22%、薬店のハーブまたは漢方薬17%、マッサージまたは指圧15%、医師の処方した漢方薬10%、アロマセラピー9%、カイロプラクティックまたは整体治療7%、鋭灸7%、ホメオパシー0.3%、その他7%であった。

また、福田早苗氏(京都大学医学研究科)が「日本における代替医療と健康に関する疫学調査」について発表。 熊本県小国町町民35歳以上64歳以下の3,501人全員を対象に、代替医療の使用の有無に関して、「漢方薬」、「栄養補助食品/健康食品(カルシウム・ビタミンなど)」、「整体」、「マッサージ」、「イメージ療法/ヨガ/瞑想」、「鍼灸」、「気功/太極拳」、「アロマセラピー/ハーブ」、「温泉」の使用頻度を聞いたところ、調査対象の約57%(温泉を含めると約8割)が、温泉以外の何らかの代替医療を利用していることが明らかとなったと報告した。

代替療法の中でも、健康食品を用いたCAMは手軽なためか、日本でも人気だが、米国ではどうか。
これについて、「米国におけるハーブサプリメントの現状と問題点」と題して、蒲原聖可氏(東京医科大学病院総合健診センター)が発表。2002年の調査で、病院から医薬品を処方されている患者のうち16%がハーブを使用している、など報告した。

米国では、6割が「病気予防」のためにサプリメントを日常的に使用

栄養療法で先行している米国では、サプリメント使用は日常的で、10人中6人は常用しているといわれる。2001年6月28日から7月1日まで行われたDietary Supplement Barometer Surveyでは、18歳以上の1,027人に対しアンケート調査を行っているが、これによると、回答者の59%が何らかのサプリメントを使用していると答えており、このうち、46%が総合ビタミン剤やミネラルを、15%がガーリックやジンセン、セントジョンズ・ワートなどのハーブなどを、また、8%がグルコサミン・コンドロイチン、SAMEを使用していた。

使用の理由としては、「体の調子を良くするため」が72%とトップ。続いて、「病気予防」が67%、「病気に罹ったときでも症状をやわらげたい」が51%、「長生きのため」50%、「筋肉増強」37%、そして「体重管理」が12%と回答。


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