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ストレスが心身に与える影響、男性は循環器疾患の発症リスク高まる 感情のいらだちなどストレスが現代人の健康をむしばむ大きな要因になっているのはよく知られるところ。では、逆にポジティブな感情は健康にどの程度良いのか。厚労省研究班が「生活を楽しんでいる意識」と循環器疾患の発症との関係について調査を行っている。
40−69歳の男女約9万人を12年間追跡調査
「生活を楽しんでいる意識」と循環器疾患の発症リスクの関係について、循環器およびがんの既往のない、男女88,175人(40−69歳)を対象に、約12年間追跡した。結果、3,523人が循環器疾患(脳卒中2,786人、虚血性心疾患686人)を発症、とくに男性は女性に比べ循環器疾患の発症リスクが高いことが分かった。 調査は、男女それぞれ「生活を楽しんでいる意識」で高・中・低の3グループに分けた。結果、男性の高グループとの比較で、中グループで循環器疾患発症リスクが1.20倍、低グループが1.23倍と、「生活を楽しんでいる意識」が低いほど循環器疾患の発症リスクが高いことが分かった。 また、脳卒中の発症リスクについても、意識の高グループとの比較で、中グループは1.26倍、低グループは1.28倍と、「生活を楽しんでいる意識」が低くなるほどリスクが高まることが分かった。 さらに、虚血性心疾患の発症リスクについても、中グループは1.18倍、低グループは1.22倍と、同様に「生活を楽しんでいる意識」に比例し、発症リスクが高まることが明らかになった。一方、女性については、とくに関係性が見られなかった。 女性は男性に比べ、ストレスに強い? さらに、「生活を楽しんでいる意識」と循環器疾患による死亡との関係では、男性で、「生活を楽しんでいる意識」の高グループとの対比で、中グループは1.15倍、低グループは1.61倍と、意識が低いほど死亡数が高いことが分かった。 また、脳卒中では、中グループが1.25倍、低グループが1.75倍高く、虚血性心疾患では、中グループが1.20倍、低グループが1.91倍高く、「生活を楽しんでいる意識」の低さに比例して死亡数が高いことが分かった。女性については、関連は見られなかった。 今回の調査研究で、研究班は、「生活を楽しんでいる意識が、男性では循環器疾患の発症や死亡リスクの低下に影響を及ぼすことが示された」と結論付けたが、女性に関しては、「影響が認められず、ストレスが心身に与える影響に男女差があることが示された」としている。
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