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メタボ関連要因の集積、がんリスクとの関連はっきりせず
厚労省研究班、男女約2万8千人を対象に10年間追跡調査

4月、厚生労働省研究班はメタボリックシンドロームとがんとの関連について10年にわたる追跡調査結果を公表、メタボ関連要因の集積とがんリスクとの関連ははっきりしないとした。別の調査では、2個以上のメタボ関連要因の集積で死亡リスクが高まることも明らかとなった。

メタボ関連要因の集積で、男性の肝がん、
女性の膵がんの罹患リスク増

調査は、1993-1995年に、岩手、秋田、長野、沖縄、茨城、新潟、高知、長崎、大阪府など10保健所管内に住む40〜69歳の男女約2万8千人を対象に、2004年まで10年間追跡調査した(期間中、1,858人ががんに罹患)。

メタボ関連要因とされる血圧や血糖、コレステロールの集積群、非集積群に分け、がん罹患リスクを分析。
メタボ関連要因の集積群と非集積群とを比べたところ、がん罹患リスクに差はなかった。

ただ、男性の肝がん、女性の膵がんにおいて、メタボ関連要因の集積によりがん罹患リスクが増すことが分かった。それ以外では、がんとの関連ははっきりしなかったという。

また、メタボ関連要因と循環器疾患の発症との関連についても分析。1993-1995年、岩手、秋田、長野、沖縄、茨城、新潟、高知、長崎など保健所管内に住む40〜69歳の男女約2万3000人を対象に、2003年まで11年間追跡調査した(期間中、男性395年、女性298人が脳卒中又は虚血性心疾患と診断)。

結果、メタボリックシンドロームと虚血性循環器疾患の発症とは明らかに関係しており、とくに男性では顕著であることが分かった。一方、女性では関連が認められなかった。また、メタボリックシンドロームと脳内出血及びくも膜下出血の発症との関係は認められなかったという。

肥満でなくても、2個以上のメタボ関連要因の集積で男女とも全死亡リスク高まる

さらに、メタボ関連要因と死亡との関連についても調査。岩手、秋田、長野、沖縄、東京、茨城、新潟、高知、長崎、大阪など11保健所管内に住む40〜69歳の男女約3万4000人を対象に、2005年まで約13年追跡調査した(期間中に、がん死亡947人、循環器疾患死亡304人が確認)。

結果、肥満でなくても、2個以上のメタボ関連要因が集積した場合、男性で、全死亡と循環器疾患死亡、女性で全死亡のリスクが高まることが分かった。

また、肥満の有無に関わらず、高血圧だと循環器疾患死亡リスクが高くなり、血圧、脂質、血糖の3要因すべて高値だと循環器疾患リスクが上昇することが分かった。


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