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カルシウム、ビタミンDが吸収高め大腸がんの危険性を低下 カルシウムとビタミンDを多く摂ると、大腸がんの罹患リスクが低下する---。22日付けの朝日新聞によると、ビタミンDがカルシウムの吸収率を助け、大腸がんの予防効果を高める可能性があることが九州大の古野純典教授らの研究で分かったという。
カルシウム、結腸がんのリスクを低下
カルシウムについては、4月に厚生労働省研究班が乳製品を多く摂る人は前立腺がんになりやすい、という研究結果を公表し、含まれるカルシウムのリスクが懸念された。また、7月には、同研究班によりカルシウムの脳卒中のリスク低下が報告された。
研究では、福岡市近郊に住む大腸がん罹患者836と大腸がん非罹患者861を対象に、食事や生活習慣との関連を調べた。 これまでにも、カルシウムが結腸がんの危険性低下に関与することが報告されている。Vanderbilt University Medical School研究者グループが、女性73,314人(平均年齢55.5歳)が参加したShanghai Women's Health Studyから、食品77種の摂取状況を分析。6年近くの追跡調査で、最も多くカルシウムを摂取したグループは最低量のグループと比べ、結腸がんにかかる危険性が40%低くなっていることが分かったという(International Journal of Cancer誌06/11月号)。 ビタミンD不足、結腸がんリスク高まる ビタミンDは脂溶性で、タラ肝油、サーモン、サバ、イワシ、ウナギなど油分の多い魚に多く含まれる。また、太陽の紫外線もビタミンDの体内合成を促進する。北欧では、太陽の照射時間が短いためサプリメントでのビタミンD摂取を薦めている。 ビタミンDは、血中のカルシウム及びリンの濃度を正常に保つ。カルシウムの吸収を助け、他のビタミン、ミネラル、ホルモンと共に骨形成を促進し、子どものくる病や成人の骨軟化症を予防する。ビタミンDが不足すると、骨はもろく壊れやすくなる。腰骨骨折で入院している骨粗しょう症患者の50%がビタミンD不足ともいわれている。
ビタミンDの健康効果については、ここ数年研究が盛んに行われている。ビタミンDが結腸がんのリスク低下に役立つことも報告されている。 テキサス大学の研究グループが、ビタミンD受容体がLCAの解毒にどのような影響を及ぼすかを観察している。研究者たちは、ビタミンD受容体は高濃度のLCAを知らせるセンサーの役目をし、この受容体がLCAと結合し、CYP3Aの出現を誘発するとしている。つまり、ビタミンDが不十分であるとこの働きが低下し、結腸がんのリスクが高まるという。 ビタミンD、乳がん予防に有用性報告
ビタミンDが乳がん予防に有用であることが報告されている。Samuel Lunenfeld Research Institute研究者グループが、乳がん患者576人とがんにかかっていない被験者1,135人に聞き取り調査を行ったところ、若い頃、屋外活動を多く行うほど、乳がんにかかるリスクが減少していることが分ったという。
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