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糖尿病、予備軍含め1,870万人・4年で250万人増 5月24日(土)、東京国際フォーラムで、第51回日本糖尿病学会年次学術集会 市民公開講座「あなたの血管を糖尿病から守る〜楽しく続ける糖尿病対策〜」が開催された。当日、田嶼尚子氏(東京慈恵医科大学 糖尿病・代謝・内分泌科 教授)らが、糖尿病対策など講演した。
「日本人は欧米人に比べ膵臓が強くない。インシュリンを多く分泌できない」
厚生労働省が先頃公表した「2006年国民健康・栄養調査」で、日本の糖尿病患者は予備軍も含めると1,870万人と推定され、2002年-2006年の4年間で250万人増えていることが明らかになった。 田嶼氏は、「40年前、糖尿病はあまり関心をもたれていなかった。100万人の病気といわれていた。富裕層も100万人で、贅沢病で特別な人の病気だと思われていた。戦後日本が豊かになるにつれ、患者数は右肩上がりに上昇している」と述べ、糖尿病の増加に歯止めがかからないことを指摘した。
糖尿病及び予備軍増加の原因は一体何か。
また戦後、肉食のような欧米食の普及が糖尿病を招く要因になったと考えられている。日本は、「飽食」といわれる時代を経て、もはや糖尿病は国民病ともいえる疾患になっている。そのあたりの情況について、田嶼氏は次のように述べた。 欧米型の食事は日本人の糖尿病発症を加速する。「肉類をたくさん食べてきた欧米人は膵臓が鍛えられているため、必要に応じてインシュリンを分泌する能力がある。日本人はもともと膵臓があまり強くない。インシュリンをたくさん分泌する能力があまりない」と田嶼氏は指摘する。
糖尿病で懸念されるのが合併症だが、「糖尿病は全身の血管が高血糖の持続により障害される病気。細い血管も太い血管もダメージを受ける。細い血管が障害されると目の網膜症、腎臓、神経障害などが起きる。太い血管に障害が起きると、脳卒中や心筋梗塞、足の壊疽などが起きる」と田嶼氏。
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