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「笑い」の医療効果、ストレス解消から活性酸素減少へ
第55回「日本心臓病学会学術集会」市民公開講座

9月15日、日本大学会館(東京都千代田区)で、第55回日本心臓病学会学術集会市民公開講座「笑って心臓病を吹きとばせ!」が開催された。さまざまな疾患の引き金となるストレスを「笑い」が発散し、活性酸素を減少させることから、疾患予防の代替医療として注目されている。

「医学の進歩は目覚ましいものがあるが、いっこうに病が減少しない」

「笑い」により、血圧低下や血流改善といった健康効果がもたらされることが報告されている。昨今、ヨガでも意識的に「笑う」ことを取り入れるなど、「笑う」ことの医療効果に関心が集まっている。

脳からの「快」情報の伝達はストレスを解消し、心身をリラックスさせ、免疫システムを促進する。逆に「不快」情報はストレスをもたらし、心身にダメージを与え、さまざまな疾患を呼び込む引き金となる。「笑う門には福来る」は「疾患予防」、「健康」という福を招来する。

従来の西洋医療は、治療においてその効力を発揮する。しかしながら、予防という、日頃いかに疾患を遠ざけるかについては、代替医療がその役を担う。ほとんどの代替医療は精神領域の健全化を目指すことにある。

開会の挨拶で、齋藤氏(第55回日本心臓病学会学術集会会長)は次のように述べた。「医学の進歩は目覚ましいものがあるが、いっこうに病が減少しないのが現状。生活習慣の改善、ストレスをいかに解消するかということが重要なテーマになっている。

国も予防医学に力をいれようという気概があり、予防医学を実現するということは日本の予算にもプラスになる」。

「笑い」による医学的効用とはどのようなものか。
演者の児玉和久氏は、「心臓病と酸化ストレス〜笑いで減らす酸化ストレス」と題して講演。次のように述べた。
「酸化ストレスが増すと、細胞を痛めつけ、いろいろな病気を引き起こす、遺伝子を壊す。日頃のストレスや運動過剰で発生する活性酸素が、笑いを持ち込むと減ることが分ってきた。炎症反応や血液凝固が笑うことによって抑制される。血栓が出来にくくなる」。
「笑い」が、活性酸素を減少させ、動脈硬化の防止に一役買うというわけだ。


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