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ダイエット成分による健康被害で監視強化求める声(米国) 昨年、日本では、一部中国産ヤセ薬の使用により肝機能障害などの健康被害が生じたことから、含有成分への監視を求める声が挙がったが、同様に、米国でもダイエット素材として知られるエフェドラなどの問題で監視システムを強化する声が高まっている。
'02年10月にも、エフェドラ配合製品の販売禁止を求める法案提出
先頃、米国でエフェドラ配合のダイエット剤を摂取したメジャーリーガーが死亡したことから、米国内でエフェドラ製品の販売禁止を求める声が高まっている。 「エフェドラ」はヒトの中枢神経に作用し、滋養強壮、体重減少の目的でダイエットサプリメントなどに配合され、全米で12万人以上が服用しているといわれる。'94年以降、心臓発作、脳卒中、高血圧など800件以上のエフェドラ関連と判断される健康被害が報告されており、使用についてはこれまでにも再三警告が行われていた。 FDA(米国食品医薬品局)の調査によると、'95-'97年の間にエフェドラの毒性に関するものが926件以上報告されているが、FDAは、'97年6月にもエフェドラ配合の栄養補助食品に厳しい勧告を行っていた。 その後、FDAは、'97-'99年にかけて報告されたエフェドラの副作用事例140例について詳細な調査を行っているが、それによると、全体の47%に心臓血管、18%に中枢神経に異常が認められたという。 '02年10月には、American Medical Associationがエフェドラ配合サプリメントの販売禁止を求める法案が上院の諮問委員会公聴会でも提出されていた。 検証途上で、含有成分やラベル表示問題が浮上 最近、世界的に有名な医学誌「The Lancet」('03/1月号)でも、ハーブ・サプリメントの含有成分などの問題点を取り上げているが、その中で、ミシガンの研究グループらの全米で販売されているサプリメントに関する調査を紹介している。 それによると、'98年の調査で、全米の11ヵ所にある毒物コントロールセンターに、エフェドラに関するものなど相談件数が2,300件以上にのぼっているという。 米国では90年代に入って、西洋医療以外の医療(代替医療)を求める声が高まったが、とくに手軽にできる栄養療法に人気が集まり、サプリメントの愛用者が増えていった。 '99年頃より、NIH(米国立衛生研究所)をはじめとする政府機関が、代替療法の有効性についての検証に乗り出し、とくにハーブ・サプリメントによる栄養療法に関しては、西洋医療と併用する患者が多いことから、医薬品との相互作用の徹底検証を行うようになった。 そうした過程で、天然の抗鬱ハーブとして国民的な人気を博していたセント・ジョンズ・ワートの”薬剤との相互作用”が指摘され、国民の間にハーブ・サプリメントへの不信感が広がることとなった。 また、他のハーブ・サプリメントについても、含有成分やラベル表示に対して国民に警戒感を抱かせるような状況が生じ、エフェドラなど“有害成分”を含むサプリメントに対しても、徹底監視システムを求める声が高まっていた。
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