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コーヒー、肝臓がんのリスク低下に貢献
日本人を対象とした追跡調査を分析

コーヒーは肝臓がんのリスク低下に貢献する---、こうした内容の記事が8月2日付けの朝日新聞に掲載された。国立がんセンター部長の津金昌一郎氏を主任研究者とする 厚生労働省研究班の報告によるもので、日本人を対象とした追跡調査を分析したところ、「ほぼ確実」という結論に至ったという。

1日1杯以上飲む人は肝臓がんの死亡リスクが飲まない人の半分

記事によると、研究班は、コーヒーと肝臓がんに関する日本人を対象とした5つの追跡調査を分析。1990〜01年にかけて行われた日本人9万人を10年間追跡した調査では、「コーヒーをほぼ毎日飲用する人は肝臓がんの発症リスクがほとんど飲まない人に比べて半減する」ことが分かった。
また、1988年〜99年の11万人を対象にした追跡調査でも、「コーヒーを1日1杯以上飲む人は肝臓がんの死亡リスクが飲まない人の半分」であることが分かったという。

今回、コーヒーの肝がん予防がクローズアップされたが、最近のものでは、International Journal of Cancer誌07/4月1日号が、肝がん予防に関する研究成果を報じている。
Istituto Tumori "Fondazione Pascale"研究者グループが、肝がん患者185人とがんの徴候が見られない412人を対象にコーヒー摂取との関連性を調べたところ、コーヒーを週に最低28杯飲む場合、14杯未満のグループと比べ、肝がんの危険性が60%低いことが分かったという。
ただし、お茶やデカフェコーヒー(ノンカフェイン)ではこうした影響は見られなかったという。

コーヒーの有用性についてはこれまでにも数多く報告されている。
Harvard School of Public Health研究者グループが17件の研究の分析調査で、毎日コーヒーを4杯以上飲んだ場合、まれに飲むか全く飲まない場合より結腸がんの危険性が24%減少することが分かったと報告している(American Journal of Epidemilogy誌)。

また、ボストンのBrigham and Women's Hospital研究者グループが、腎臓結石歴のない40歳から65歳までの女性8万千93人を対象に調べたところ、毎日コーヒーをグラス1杯分(8オンス)飲んだ場合、腎臓結石の生じる危険性が10%減少したという(Annals of Internal Medicine誌)。

他にも、ハーバード大学の研究グループが、8万人以上を対象にしたナーススタディを分析したところ、そのうちの7,811人が胆石手術を受けたが、コーヒーを多く飲んでいる(1日4杯以上)グループは全く飲まないグループに比べ、胆石手術を受ける危険性は25%低くなっていることが分かったという(Gastroenterology誌)。
ただし、デカフェコーヒーではこうした影響が見られなかったことから、胆石の生成にカフェインが何らかの作用を果しているものと研究者は考えている。

カフェイン、骨からカルシウムを奪う可能性

一方、コーヒーの多飲で生じる問題もこれまでに報告されている。Duke大学の研究者グループが、コーヒーに含まれるカフェインの健康への影響を調べた研究では、19人の健康成人を選び、15年間にわたり調査。被験者には、1日コーヒー1杯に相当するカフェイン錠剤を与え、また別のグループには4〜5杯分に相当する錠剤を与えた。そしてそれぞれ、15分毎に血圧を検査したところ、4〜5杯分投与されたグループは1杯のグループと比べ、心臓病に罹る危険性が20%増え、卒中は35%に増えたという。

また、インディアナ州の大学の研究チームが、コーヒー2杯分以上に当たるカフェインを摂ると骨からカルシウムを失う可能性があり、一日に少なくとも800mgのカルシウムを摂取する必要があると警告している(The American Journal of Clinical Nutrition誌)。

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