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日本で増加傾向の前立腺がん 平成18年9月3日、有楽町朝日ホール(東京都千代田区)でシンポジウム「前立腺がんの早期発見と治療」が開催された。当日、伊藤一人助教授(群馬大大学院医学研究科泌尿器病態学)らが、日本における前立腺がんの罹患状況や早期検診の必要性などを講演した。
65歳以上の高齢者、人口10万人当たり90人以上の割合で罹患
高齢化社会の到来で懸念されているのが、アルツハイマー病や前立腺がんの罹患者の増加。 講演で、伊藤氏は「50歳を過ぎると前立腺がんが急に増える。早期発見のために前立腺がん検診が必要だが、日本は欧米から10年遅れている」と述べ、現状だと今後日本で前立腺がんが3倍に増えると指摘した。
前立腺は男性特有の臓器で、膀胱下方にあり、精子の一部が作られる。 ちなみに、米国では男性のがん罹患率のトップの前立腺がんが減少傾向にあるが、これには1980年代後半から実施しているPSA検診という採血検査が功を奏しているという。また、カナダでも1990年前後からPSA検診を実施し、死亡率が低下しているという。
PSA(Prostate Specific Antigen:前立腺特異抗原)検診とは、少量の採血で血中のPSA濃度を調べるもので、前立腺がんの罹患状況が判断できる。 前立腺がんの発症原因は現在のところ不明だが、欧米食のように脂肪分が多く、食物繊維が少ない食生活は 発生率を高めるということも要因の一つと報告されている。 前立腺がん予防に役立つハーブサプリメントとしては、ノコギリヤシ、イラクサ、 セレン、亜鉛、大豆などが挙がっている。
トマトに多く含まれるカロチノイド色素のリコペンについても、前立腺がん
に関する有用性報告が多い。
またセレン、ビタミンEも前立腺がんへの有用性が報告されている。
セレンは1996年、皮膚がんの予防効果をみるため大人1,000人
を対象に調査したところ、皮膚がんの予防効果は全くみられなかったが、1日に200mcg摂取した場合、前立腺がんの罹患率が60%減少したとことが報告されている。
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