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化学物質の健康への影響〜歯科金属のアマルガム(水銀)でアレルギー 9月28日、豊島区生活産業プラザ(東京都豊島区)で、第2回「化学物質の子どもの健康への影響の実態」と題して市民講座が開催された。当日、アレルギー専門医の立場から京都・島津医院の島津恒敏氏が、副腎皮質ホルモン剤や歯科金属のアマルガム(水銀)などアレルギーを引き起こす化学物質について解説した。
口中の毒、アマルガム(水銀)による健康障害
今年6月、厚労省で水銀を含む魚介類の摂食に注意するよう、とくに妊婦に呼びかけたことは記憶に新しい。そうした重金属の健康におよぼす影響で、歯科治療の際に詰める金属類についてもアレルギーを引き起こす可能性が高い、と問題視されている。 当日、講演では島津氏が数多くあるアレルギー物質の中でも、とくに歯科金属のアマルガム(水銀)が引き起こすアレルギーについて解説。「私たちは簡単に歯に物を詰めているが、有害ではないか。歯はりっぱな臓器の一つ。私たちの体は、自分の体と違うものは異物とみなし、アレルギー反応を起こす。私たちは歯の重要性を十分認知していない。詰め物でいろいろな重金属が体に取り込まれる」と指摘した。 口腔内の歯に詰めた金属は溶け出して体内に取り込まれ、皮膚や全身に運ばれ、耐性が破れると、皮膚や種々の臓器にアレルギーを引き起こすという。特に詰め物で用いられるニッケル、アマルガム(水銀)はアレルギーを引き起こすやすく、時に金やパラジウム、インジウムも関与するという。 1970-90年代、毎年10〜4トン使用 島津氏によると、アマルガム(水銀)は1970年代から90年代にかけて多く用いられ、毎年10〜4トン使われていたという。子どもの歯には、ニッケルクロム合金がよく使われたが、発がん性が懸念されたことから製造中止になり、2000年には1トン弱に減った。しかしながら、現状は「在庫ストックがある場合は使ってもいいことになっている」という。 1本の歯に約0.3gの歯科金属が使用されており、「化学物質過敏症の下地を作っているケースがある。いろいろなアレルギーの原因の中で無視できないものになっている」と島津氏はいう。 日米の歯科医師会は「ごく一部にアレルギーがみられるだけ」との見解 島津氏はこれまでの臨床例を挙げ、「歯の重金属を取り除くことによってアレルギーがよくなったというケースが多々ある」と指摘する。 海外では、スウェーデンや欧米諸国が、1970年代に歯に詰める水銀の健康被害を重視し、被害者同盟を結成、問題提起を行ってきた。 これに対し、米国の歯科医師学会では「ごく一部の人にアレルギーを起こすだけで大丈夫」とし、同様に日本の歯科医師会でも水銀の問題はないとの見解を示しているという。 島津氏は、この他、アレルギーの原因になる物質(抗原)として、ダニ、食物、花粉、金属(歯科金属)、薬品(副腎皮質ホルモン剤など)、カビ、動物、化粧品、洗剤、ゴム、合成着色料、防腐剤、保存料、農薬、細菌、大気、ウイルスなども挙げた。
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