|
HOME > バックナンバー > 20/10月記事
トクホに新たな「公正マーク」誕生 トクホに新たなマーク(公正マーク)が登場する。2020年9月30日(水)、日経SDGsフォーラム「トクホで考える健康新時代〜トクホ公正競争規約がスタート」にて、伊藤 明子氏(消費者庁長官)らが概要を示した。
トクホ、国民の認知度は30%・利用率17.6% 特定保健用食品(トクホ)は、「おなかの調子」「血圧」「コレステロール」などに対し、健康への効果表現(健康表示)が国により許可された食品で、1992年にトクホ制度が設立。2020年3月末現在で、許可商品数は1074品、市場規模は6493億円(2019年度)となっている。 トクホは制度開始から30年近くが経過するが、認知度は30%、利用率は17.6%程度で、許可件数は2007年が143件でピーク、2018年は39件、2019年は22件と減少傾向にある。
![]()
トクホと同様、健康表示が許可された食品に、栄養機能食品、機能性表示食品がある。 2019年では、機能性表示食品882件、トクホ22件といった状況で、市場規模においても機能性表示食品がトクホを追い越す可能性が高いと予想されている。 消費者庁により公正競争規約が適用、4種類の公正マークが許可 こうした中、8月21日に、消費者庁により「特定保健用食品の表示に関する公正競争規約及び同施行規則」が施行。トクホに公正競争規約が適用となった。 次いで「特定保健用食品公正取引協議会」が発足、8月27日に設立総会が開催され、12月24日より「特定保健用食品の表示に関する公正競争規約」が施行される運びとなった。
公正競争規約は、表示または景品類に関する事項を事業者団体などが定める業界の自主的ルールで、現在までに78団体で102件の公正競争規約が認定されている。健康食品では、今回が初導入となる。
![]() 機能性表示食品との相乗効果、トクホ市場活性化へ 現在、トクホは機能性表示食品の勢いに押され、許可件数も減少傾向にある。トクホ市場は2005年以降、約6,500億円規模で安定推移だが、公正マークの登場により、市場の活性化が期待される。 日経SDGsフォーラム「トクホ新時代への期待」と題した講演で、伊藤 明子氏(消費者庁長官)は、機能性表示食品との棲み分けや相乗効果で、トクホのさらに認知度や市場規模の拡大が期待できる。機能性表示食品のデータが順調に蓄積しており、トクホへの申請数の増大に繋がる可能性も十分ある、とした。 また、機能性表示食品制度が盛り上がる中、特定保健用食品が若干トーンダウンしているような印象があるかもしれないが、トクホにはまだまだ期待が持たれている。適切な選択ができ、使う責任・作る責任を意識したより良い消費社会の構築を目指したい、とまとめた。 さらに公正マークについて、下田智久氏(特定保健用食品公正取協議会 会長)は、これまでは一律トクホマークのみであったが、新しいマークは保健用途の領域も表記可能となっており、非常に画期的なものとなっている。トクホを今一度盛り上げていきたい、とした。
|
Copyright(C)GRAPHIC ARTS CO.,LTD. All rights reserved.
|