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認知症、老化物質AGEsが健常者の3倍多い
〜認知症は「脳の糖尿病」、抗糖化対策で防止

老化と深く関わる要因として細胞の「酸化」が挙げられるが、加えて近年クローズアップされてきたのが「糖化」。2017年9月11日〜13日、東京ビッグサイトで、ダイエット&ビューティーフェア2017が開催された。同展示会セミナーより、「糖化」に関わる講演を取り上げる。

糖化で組織が老化、生活習慣病の引き金に

同展示会セミナーで、八木 雅之氏(同志社大学生命科学部 酸化ストレス研究センターチェア・プロフェッサー教授)が「糖化は老化〜最新研究からの考察」と題して講演。

2014年に実施されたネット調査では、老化の原因を「酸化」と答えた人が70%、「糖化」と答えた人が30%だった。

マスメディアの報道も手伝い、「老化」と「糖化」の関係が年々人々に認知されつつある。

糖質制限や炭水化物抜きダイエット、食べる順番ダイエットなどは全て「糖化」対策のための食事の摂り方である。

「糖化」による老化現象は、肌のハリや弾力の低下、キメの乱れなど顕著に現れることから、コスメの分野でも、「糖化」対策を謳う基礎化粧品も登場している。

「糖化」は体の中で余分な糖とタンパク質が結合して起こる反応で、酒のアルデヒト類やケトン体とのタンパク質の結合、ストレスなどでも作られる。

「糖化」により細胞の老化が進むが、これには、「糖化」でもたらされるAGEsという物質が関与する。これにより、組織に炎症が生じ、動脈硬化や骨粗しょう症、糖尿病の合併症といった生活習慣病をもたらされる。

認知症は「脳の糖尿病」ともいわれ、実際に、アルツハイマー型認知症の人は脳のAGEsが正常の人の3倍も多いことも分かっている。

AGEsの排出や体内での蓄積の度合いを測定するのは極めて難しい。そのため、日々の食事において、まずは食後血糖値を抑制することが大切。

これには、野菜から食べるという、食べる順番ダイエットが効果的、またクエン酸の摂取で血糖値の上昇は緩やかになる。

体内のAGEsの測定は困難

体内のAGEsで老化度が推測されるというわけだが、永井 竜児氏(東海大学農学部バイオサイエンス学科教授)は「AGEs測定の意義 〜生活習慣病とそれを防ぐ機能性食品、その評価方法」と題して講演。

老化の原因はプログラム説やテロメア説、エラー蓄積説などあるが、近年は「糖化」に原因があるのではないか、といわれつつある。

「糖尿病」は日本人の国民病の一つといわれるが、高血糖やインスリンの異常を放置しておくと70〜80代で血管の梗塞や網膜症、神経障害などが起こり得る。

特に骨にAGEsが蓄積しやすいことが近年さまざまな研究から明らかで、骨の老化(変形)が進む。

「骨密度が高くても骨折しやすい人と、骨密度が高くなくても骨折しない人がいる」ことについて、どうやらAGEs値の違いによって説明できるのではないかと考えられている。

また、眼の水晶体に蓄積すると視力が低下することもわかっている。

「AGEsとは炭水化物からできる老化物質」ともいえるが、このAGEsが体内にどれくらいあるかでさまざまな病気のリスクや体の老化度などを推測することができる、と永井氏。

日頃の食生活の見直しで、AGEsを発生させない工夫が大切であるとまとめた。

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