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食品の安全性に市民の監視の目、「食の安全・監視市民委員会」設立

4月19日、渋谷商工会館で「食の安全・監視市民委員会」設立の集いが開催された。当日、同委員会の設立総会と市川定夫氏(埼玉大名誉教授)による「市民にとっての科学と予防原則」と題した講演が行われた。

政府や食品産業界への監視行う

2001年のBSE(狂牛病)問題の発生以降、国の食品安全行政のあり方に批判が向けられた。これに対し、政府は「食品安全委員会」設置の方針を固めた。しかしながら、委員に消費者サイドからの参加がないことから、今回の「食の安全・監視市民委員会」設立の運びとなった。

呼びかけ人は、遺伝子組み換え食品いらないキャンペーン!の天笠啓祐氏、弁護士の神山美智子氏、都地域消費者団体連絡会代表の寺田かつ子氏ら。「幅広く、市民・消費者・生産者・研究専門家が協力し合い、市民の市民による市民のための食品安全を確立していきたい」としている。
同委員会では、以下のことを目的に掲げている。

  1. 政府や食品関連事業者の監視を行う。
  2. 食品の生産・製造過程を含め、食品・原材料などの安全性評価を必要に応じて行う。
  3. 政府の行うリスク管理に対して、必要に応じて、対策を提示する。
  4. 食の安全性に関する情報収集・提供・意見交換を行う。
また、具体的な活動目標として次のようなことを掲げている。
1)BSE問題、遺伝子組み換え問題、農薬問題など、個別事例ごとにプロジェクトを組み対応。
2)政府の「食品安全委員会」に対する監視、厚労省、農林省などの政策決定、施策に対する監視・対案の提示。
3)「食の安全・監視市民委員会」NEWSの発行、など。


政府で「食品安全委員会」設置するも、消費者代表入れず
(【食の安全・監視市民委員会】設立趣意書より)

BSE問題をきっかけに食の安全に対する消費者の不信が広がる中、政府は今年(平成15年)「食品安全基本法」を国会に提出、「食品安全委員会」を設置する予定です。

2002年4月の「BSE問題調査検討委員会」報告は行政の対応批判し、消費者重視の独立した食品安全委員会を設置することを提案したものです。しかし、このたび同法での設置が予定されている委員会は、国家公安委負長が担当大臣として兼務し、リスク評価機関に限定し、7名の委員には消費者代表は入れず、リスクコミュニケーションが単なる情報公開にとどまり、消費者の声を政策に反映しえないなど、消費者保護の食品安全行政として不十分なものとなる見通しです。

これに対し私たちは、市民の立場から食品安全行政を監視する機構をつくり、政府の「食品安全委員会」のリスク評価、厚生労働省や農林水産省などのリスク管理に対して提言を行うとともに、行政を監視し、食の安全性や信頼性を確立させるために「市民食品安全監視委員会」を設置します。


健康に影響およぼす様々なリスクファクター

また、講演の中で、市川氏は「食の安全を脅かす要因」として、以下のものを挙げた。

  • 農薬類(殺菌剤、防カビ剤、殺虫剤、除草剤)
  • ポストハーベスト剤(OPP、ベノミル剤など)、燻蒸剤(臭化メチル、クロルピクリン)
  • 食品添加物(殺菌料、防腐剤、合成保存料、酸化防止剤、合成着色料、漂白剤、乳化剤、人工甘味料、人工調味料など)
  • 産業用化学物質(トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、PCBなど有機塩素系化合物)
  • 合成界面活性剤(ABS、LAS、アルキルフェノールなど)
  • 生物活性物質(合成ホルモン、合成ビタミン、発酵調整剤)
  • 抗生物質(家畜、家禽、養殖魚に投与)
  • BSE(肉骨粉投与によるウシ海綿状脳症、異常プリオン汚染)
  • 非意図的に生じる人工化合物(ダイオキシン、コプラーナPCB、ノニルフェノール、トリハロメタン)
  • 人工化合物(8万種類以上、石油が主原料:環境中に氾濫)
  • 人工放射性核種(ヨウ素129、131、セシウム134、137、ストロンチウム90、プルトニウム238、239など)
  • 照射食品(ジャガイモ、タマネギ)
  • 遺伝子組み換え作物(除草剤耐性、害虫耐性など)
  • クローン家畜(クローン肉牛、クローン乳牛など)

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