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乳ガン回避の事前切除に子宮頸ガンワクチン接種
現代医学的処置、社会に蔓延するガン予防狂騒曲

2人がガンになり、3人に一人がガンで亡くなる時代。今世紀はまさにガン予防が大きなテーマといえるが、現代医学的処置ではワクチン接種、さらに遺伝子検査によるガン罹患回避の切除手術がクローズアップされている。

米国女性のガン罹患、乳ガンがトップ

ハリウッドの大女優、アンジェリーナ・ジョリーさん(37)が乳ガンの発症を避けるため乳房の乳腺の切除を行ったと大々的に報じられた。遺伝子検査で、BRCA1という遺伝子変異が明らかとなり、乳ガン発症の確率が87%であった。

彼女の母親が2007年に乳ガンで亡くなったことから、自身も乳ガン罹患を懸念し、手術に踏み切った。乳腺切除では、乳房の大部分を取るが、これにより乳ガン発症の確率が5%にまで下がったという。

米国ガン協会の「2013年ガン罹患および死亡推計」によると、米国女性のガン罹患のトップは乳ガンで推定23万2340人、次いで肺・気管支ガンが推定11万110人、結腸・直腸ガンが推定6万9140人。また、女性のガン死のトップは肺・気管支ガンで推定7万2220人、2位は乳ガンで推定3万9620人、3位は結腸・直腸ガンで推定2万4530人となっている。

米国女性のガン罹患では乳ガンがトップ、死亡原因も第2位。こと乳ガンにいたっては、多くの女性が神経質になるのも無理はない。彼女の場合、遺伝子至上主義の現代医学的処置ともいえるものだが、はたしてそれが適切であったのか。

動物性脂肪の摂取と乳ガン増加の関係

米国女性の乳ガン罹患については、動物性脂肪との関わりが深いことが指摘されている。1975年、米国議会に世界の食と健康に関わる報告書『マクガバンレポート』が提出され、米国民の食事改善の必要性が迫られたが、続いて1982年の報告書『食物・栄養とガン』では、とりわけ動物性脂肪とガンとの関わりが指摘された。

1986年の有名医学誌『Cancer』では、ケン・キャロル博士が「脂肪の摂取量が多い国ほど乳ガン死亡率が高い」とし、とくに「動物性脂肪の摂取増と乳ガン増加の関係」を明確に示している(参照:『葬られた「第二のマクガバン報告」』)。

ちなみに日本女性の乳ガン罹患率が低いのは、日頃から大豆食品を多く摂ることが原因と考えられている。大豆にはイソフラボンが多く含まれるが、最近の報告でもイソフラボンが乳ガン予防に有用と、International Journal of Cancer誌13.2月号で報じている。

University of Toronto研究者グループが、乳ガン女性患者3,101人と健常女性(対照群)3,471人のデータを分析。研究では、カナダ国内のイソフラボンサプリメント28種が使用されたが、高量摂取で乳ガンリスクが28%低下し、低量摂取では乳ガンリスク低下との関連性が認められなかったという。

「すべてのガンのうち、遺伝子によるものはわずか2〜3%にすぎない」

21世紀に入って、遺伝子ゲノム解析の研究が急速に進んだ。個人の遺伝子データが解明されると、将来生じる疾患の予測も立てられ、そのためにどのような「食」が適切かが判別でき、未病対策も容易になるとされた。本来、疾患予防はそうした「食」の管理が本筋であろう。

アンジェリーナさんの場合、卵巣ガン発症の確率も50%であることが分かったという。今後も、さまざまなガンのリスクファクターが彼女を待ち受けているであろう。それもまた、ガン回避のため事前に臓器切除で対処するとでもいうのだろうか。

「すべてのガンのうち、遺伝子によるものはわずか2〜3%にすぎない」。かつて、英国オックスフォード大学のリチャード・ドール卿とリチャード・ピートー卿は米国議会にそうした報告書を提出している。

そして今、日本で、将来のガン予防のためという名目で、物議をかもしているのが子宮頸ガンワクチンの接種。厚労省の専門部会で、子宮頸ガンワクチン接種後に重い症状の副反応(副作用)が3月末までに106件あったと報告されている。

この発生頻度は100万回接種で約12.3件、インフルエンザワクチン(100万回接種で約0.9件)の10倍以上となる。そうした状況にも関わらず、因果関係が不明、医学的な論拠に乏しいとし、定期接種の中止はしないとしている。

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