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一般公開セミナー「いわゆる健康食品の功と罪」

2月15日、安田生命ホール(東京都新宿区)で独立行政法人 国立健康・栄養研究所主催の一般公開講座「いわゆる健康食品の功と罪」が開催。健康食品の規格基準や法制度などについての現況が報告された。

ネットでの「健康食品」の告知、規制対象へ


当日、行われた演題と演者は下記の通り:
「健康補助食品の規格基準とJHFA表示許可について」
槇孝雄(財団法人 日本健康・栄養食品協会 健康食品部長)
・「いわゆる健康食品の有用性等に係る表示の規制について」
見田活(厚生労働省医薬局食品保健部企画課 新開発食品保健対策室保健機能食品係長)
・「いわゆる健康食品に関する相談の実態と試験結果の事例」
宗林さおり(国民生活センター 商品テスト部調査役)
・「特定保健用食品の効果の事例と賢い使い方」
斎藤衛郎(独立行政法人国立健康・栄養研究所 食品機能研究部長)

昨年、BSE(狂牛病)問題に端を発し、大手食品企業の食品偽装表示、一部中国製やせ薬による健康被害などにより、食品の安全性に対する消費者の信頼感が大きく揺らいだ。

こうした流れの中で、食品衛生法の改正の骨子案が提出され、健康食品についても、1)安全性が疑われる商品の流通禁止、2)健康増進に関する虚偽・誇大広告の禁止(健康増進法関連)が盛り込まれた。*関連記事 >

中国製やせ薬に関しては、インターネット(以下略、ネット)で手軽に購入できるようになったことも一要因とみられているが、今後もボーダレス化が進み、国内外の商品のネットでの購入増加が予測されることもあって、ネットにおける健康関連商品の告知の在り方が検討材料として浮上してきている。

講演後、会場からも、「インターネットでの健康食品の誇大広告」について質問が挙がったが、これに対し、厚労省の見田氏は、「実質的に規制しなければいけないという考えは厚生労働省としては当然あるが、完全には出来ていない状況にある」と述べた。

さらに、ネットという媒体の特性に触れ、「インターネットの告知というのは非常に簡単に出来てしまう。どういう手段で規制していくかについては、非常に大変な問題であると認識している。健康増進法のほうでも、これまではラベルでの表示の規制があったが、今後は表示以外の広告が規制の対象になってくると思う」と答えた。

「(医薬品的な形状を含む)食品」であることの、告知の限界

また、国センの宗林氏は「いわゆる健康食品に関する相談の実態と試験結果の事例」について講演し、同センターでの調査状況を報告。同氏から、明確な効能とデータがないままメディアに乗って市場形成がなされるケースがある、との指摘もあった。

こうした指摘は、一部TVの健康番組やミマスコミ報道で話題となり、ブームに乗じて粗製濫造された商品についてのものと解釈される。有効性を証明するデータを持つ健康食品も確かに存在する。問題は、こうした商品と商業ベースの粗製濫造品とが混在し、流通していることであり、消費者がそれを適正に見極められるかどうかという点にある。
医療経済の破綻が叫ばれ、予防医学が重要視される今日、有効性が認められる「健康食品」まで、粗製濫造品と同等に切って捨てられるのはどうか。

現行の薬事法では、「健康食品」はあくまでも「(医薬品的な形状を含む)食品」であり、効果・効能に関する医薬品的な標榜はできないとされている。一部健康・栄養食品(保健機能食品)において、有効性の告知が認められているものの、かなり制限された内容となっている。有効性にかかわらず、法で定められた告知の限界がある。

では、消費者は「健康食品」を選ぶ際、何を判断材料にすればよいのか。
その一つとして、日健・栄協では食品の安全性や素材の品質管理についての基準を設定し、審査を経たものについてはJHFA表示許可商品として認可するという制度を設けている。

この点について、日健・栄協の槇氏は、昭和61年にJHFA表示許可制度を発足した経緯について述べた。同制度は素材や成分の種類ごとに規格基準が設定され、現在53規格に基づいて、約900品目が表示許可されているという。

また、厚労省の見田氏は、平成13年4月、健康食品の有用性に関して一定の要件を満たしたものを「保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品)」と称する「保健機能食品制度」を創設した経緯について述べた。

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