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コーヒーの有用性に関する最新情
〜胆石や膀胱がんの危険性を低下

コーヒーおよびそれに含まれるカフェインについての研究がここにきて相次いでいる。生体に有益・有害と、さまざまな研究報告が入り乱れているが、ここ2年ほどの研究報告の中から、今回は生体に有用とされる報告を取り上げる。

  • 胆石の危険性低下
      (ハーバード大学の研究:8万人以上のナーススタディ分析)
  • 高齢者の記憶機能を促進
      (アリゾナ大学の研究:65歳以上の高齢者40人対象)
  • 膀胱がんの危険性低下
      (スペインの研究:膀胱がん患者500人の医療記録を分析)
  • パーキンソン病を予防
      (ホノルル復員軍人援護局研究:ハワイ日系男性8,004人対象)
  • コーヒー1日4杯以上、胆石の危険性を低下

    先頃、コーヒーを多く飲むと胆石の危険性が低下するという研究報告が、Gastroenterology誌に掲載された。
    ハーバード大学の研究グループによるもので、8万人以上を対象にしたナーススタディを分析したところ、そのうちの7,811人が胆石手術を受けたが、コーヒーを多く飲んでいる(1日4杯以上)グループは全く飲まないグループに比べ、胆石手術を受ける危険性は25%低くなっていることが分かったという。
    ただし、デカフェ(カフェインを含まない)コーヒーではこうした影響が見られなかったことから、胆石の生成にカフェインが何らかの作用を果しているものと研究者は考えているという。

    また、コーヒーに含まれるカフェインは高齢者の記憶機能を促進させるという研究報告も出ている(Psychological Science誌'02/1月号)。
    アリゾナ大学の研究グループによるもので、65歳以上の高齢者40人に360ml入りレギュラーコーヒーを与え、その後、記憶力テストをしたところ、デカフェ(カフェインが少ない)コーヒーを飲んだグループに比べ、レギュラーコーヒーを飲んだグループのほうがテストの成績が良かったという。

    テストは午前と午後に行ったが、レギュラーコーヒーのグループは、1日通してテストの成績が落ちなかったという。ちなみにデカフェーコーヒー360mlには、カフェインが220〜270mg入っているが、デカフェは10mg未満。

    この他、動物実験でもカフェインが脳細胞の増加に関わることが報告され、記憶機能に影響をおよぼすことが推測されている。

    コーヒーを飲む喫煙者、飲まない喫煙者に比べ膀胱がんの危険性が低い

    膀胱がんの危険性が低くなるという報告も出ている(Journal of Epidemiology and Community Health'01/1月号)。 喫煙者がコーヒーを週に2杯以上飲むと、膀胱がんの危険性が低くなるという。
    スペインの研究グループによるもので、膀胱がんと診断された患者500人の医療記録を分析したところ、コーヒーを飲まない喫煙者は飲む喫煙者と比べ、膀胱がんに罹る危険性が7倍高いことがわかったという。ただし、喫煙はがんの主因でもあるため、コーヒーを飲む喫煙者はコーヒーを飲むがタバコを吸わない成人と比べると、がんの危険性は3倍高いこともわかっている。

    この他、コーヒーを飲まない人のパーキンソン病に罹るリスク率はコーヒーを飲む人の2〜5倍という研究報告もある(Journal of the American medical Association誌)。
    ホノルル復員軍人援護局の研究グループが、ハワイ日系人男性平均年齢53歳、8,004人を対象に1965年から30年間、パーキンソン病と環境リスク要素について調査したしたもので、それによると、パーキンソン病の罹患率はコーヒーの飲用量が多くなるほど減少し、例えば1日4〜8ounces飲む人は5.5件、12〜16ouncesでは4.7件、20〜24ouncesでは3.6件、28ounces以上では1.7件というものであったという。

    また、コーヒーを全く飲まない人のリスク率は、4〜24ouncesのコーヒーを飲む人と比べると2〜3倍高く、28ounces以上飲む人と比べると5倍高いことが明らかとなったという。
    また、コーヒー以外からのカフェイン摂取についても、1日2.8mg未満のカフェイン摂取量の人と107mg以上の人を比べた場合、少ないほうがパーキンソン病罹患のリスク率が約3倍高いことが認められたという。

    パーキンソン病は、米国では100万人が罹患していると推定され、毎年5万人が発症しているといわれる。筋肉の動きを司るドーパミンを分泌する脳細胞に障害が生じるため、顔や手などに震えや引き攣りを起こす。

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