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放射能問題、はたしてTV・マスコミは真実を伝えたか(2) 放射能報道で捏造疑惑の「NHK」、煽りの「週刊文春」、そして誇張の「報道ステーション」とここにきてメディアの報道姿勢の稚拙さが露呈している。売上重視、視聴率かせぎで故意にやっているという穿った見方もできなくもないが、ともあれこうしたメディアによるデマの拡散・蓄積で「放射能恐怖神話」が作られていく。
煽り派メディアの稚拙な報道、風評被害の元に
放射能恐怖を「煽る」という言葉がよく使われる。この言葉には物事を正確に把握し、真偽を見極めたうえで、他を扇動するという、狡猾かつ老獪なイメージが一方である。 否、そうではなく、全てを承知したうえでやっているというのであればこれはタチが悪い。売上重視、視聴率かせぎの計算ずくめ、きっちりソロバンをはじいてやっている、というのであれば、悪党以外の何者でもない。どちらにしても有害で、自らの儲けのために日本中に多大な風評被害をもたらし、人々を放射能恐怖で縛り付けたA級戦犯、それこそが煽り派メディアということになる。
『週刊ポスト』(12.3.9号)が前号に続いて、「煽り派の暴走はもはや犯罪だ--日本列島を覆う放射脳の脅威--」と題した特集で、煽り派メディアのデマ・誇大報道を戒めている。 黒い藻を「プルトニウム」と触れ回る
どの程度かというと、2.4〜2.6μSv/時で、確かに周辺地域の線量と比べると2倍ほど高い数値を示していた。これを市民団体の要請で山内知也教授(神戸大学大学院・海事科学研究科)が調査、番組では「福島第一原発由来のセシウムで、今後気温が上がると藻が乾燥し家の中に入ることが心配」とコメントした。
同誌が看過できないとしているのが、一部の反核市民団体がこの藻を「この黒い物質はプルトニウムだ」と悪質なデマを流し、住民を恐怖に陥れた疑いがもたれていることだ。団体では、「黒い物質がプルトニウムだと触れ回ったのは団体の一会員に過ぎず、我々の見解ではない」とし、団体としてのデマ発信説を否定しているという。 「放射能恐怖神話」がこうして作られる
昨年暮れのNHK『追跡!真相ファイル 低線量被ばく 揺らぐ国際基準』の捏造報道、最近では『週刊文春』(12.3.1号)が「郡山4歳児と7歳児に甲状腺がんの疑い〜深刻な異常が見つかった」と派手な大見出しをつけ、衝撃スクープと銘打ったが、真相は「良性だった」という、読み手をして唖然とさせる、まさに衝撃的な結末であった。
こういう都市伝説のような放射能恐怖話が跡を絶たない。 原発事故以降、白血病急増というデマ拡散 書き込みは絶えることなく、11月頃には、「原発事故以降、白血病が急増し、4月〜7月には患者数が昨年の7倍になった。患者の6割以上が急性白血病」という怪文まで登場する。広島・長崎の原爆被爆者では、200mSv以上で白血病の影響は見られるが、それ以下でははっきりしない。さすがに日本医師会も呆れ、そうしたデータは確認できないと正式に否定した。 実際の白血病の治療現場では、朝晩で2Sv(2000mSv)もの放射線が全身に照射される。1mSv〜5mSvで白血病になって、何故その治療に2000mSvも照射されるのか、現代医療の矛盾も合わせて、治療台の上で一度ゆっくり考えてみるといい。超ホットスポットは病院の放射線科で、しかもそこはガン治療のための治療台の上であった、という笑えない話になる。 しかし一体、誰がこういうデマを流すのか。本当の悪党は政府でも東電でもなく、放射能恐怖デマを拡散し、風評被害で経済損失をもたらし、人々を失職させ、恐怖で国民を縛り付けている連中である、ということだけは確かなようだ。 ・
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「週刊ポスト」(12.3.16号) 「週刊ポスト」(12.3.9号) 「週刊文春」(12.3.1号) |
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