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納豆など、メタボ対策に果たす食品の役割 9月21日(日)、東京(丸の内・東商ホール)で「健康フォーラム2008〜メタボリックシンドローム・正しい理解とその対策」(主催:日本食品機能研究会)が開催された。池田義雄氏(日本生活習慣病予防協会理事長)らが、メタボ対策をテーマに、食事療法、生活習慣の改善など講演した。
メタボ対策が国の重点施策に、食事をはじめとした生活改善を指導
今年4月、厚労省の医療制度改革の一環として、40歳から74歳までの国民全員を対象にしたメタボ健診制度がスタートした。厚労省は、2015年までにメタボ患者を25%削減する目標を立て、今年度はメタボ対策に97億円の予算を計上している。 冒頭、JAFRA理事長の吉本和夫氏は、日本人のメタボリックシンドローム有病者および予備軍は全国で2000万人を超えるといわれる状況に対し、「自分の健康維持は、自分自身で責任を持って推進しなくてはならない時代になった」とした。 また、「日本人の40歳以上の20%が高脂血症というデータもある。血流とメタポリックシンドローム、生活習慣病との関係が新たにクローズップされている」とし、 国を挙げての、食事をはじめとした生活改善指導の必要性を述べた。 肥満の改善こそメタボ予防の決め手
池田義雄氏(日本生活習慣病予防協会理事長・医学博士)は、「生活習慣病とメタボリックシンドローム」と題して講演。 池田氏の提唱するメタボリック予防の決め手は「一無、二少、三多」のライフスタイル。“一無”は禁煙、“二少”は少食、少酒、“三多”は多動(積極的に運動)、多休(充分な休養・睡眠)、多接(多くの人、事、物に接する)という。 納豆の酵素・バチロペプチターゼF、血栓溶解や血栓形成予防 メタボ対策で、心がける必要なのが血流の改善。日頃の「食」で、はたして可能か。一杉正仁氏(獨協医科大学法医学講座准教授・医学博士)は「血栓症を予防するために」と題して講演。 血栓症はエコノミークラス症候群とも旅行者血栓症とも呼ばれている。長時間の座位を余儀なくされる交通機関の利用者は静脈還流が低下し、静脈血液の粘度が上昇する。血栓は血流を妨げ、虚皿性心疾憲や脳卒中の原因となり、日本人の死因の約30%に関与している。「血栓症を予防するためには、納豆が有効で、特に納豆の酵素・バチロペプチターゼFは血栓溶解作用や血栓形成予防、血液粘度低下作用があり、血液の循環を高める」と一杉氏。 動物性脂肪・蛋白制限に野菜・果物の摂取、メタボ対策に有効
済陽高穂氏(トワーム小江戸病院院長・医学博士)は「メタボリックシンドロームの食事療法」と題して講演。済陽氏は、消化器がんを中心に4000余例を執刀し、「現代のブラックジャック」の異名を持つ。 ゲルソン療法は塩分や動物性脂肪・蛋白の制限に、自然食(大量の野菜・果物ジュース)、豆や芋、海藻、各種消化酵素成分などを摂り、人体での栄養物の吸収・代謝を正常化し、免疫能を高め自然治癒に導くというもの。「がんの食事療法」として、100年の歴史がある。 ゲルソン療法の創始者であるMax Gersonはドイツ系アメリカ人で、第二次世界大戦前、ミュンヘン大学関連施設で480名余の結核患者の95%を改善・治癒に導いたといわれる。また、済陽氏らの10数年にわたる経験からも進行がんの60%以上で有効性が見られたという。また、リウマチや潰瘍性大腸炎などの自己免疫疾患、メタボリックシンドローム患者の約8割に効果があったという。 胃相・腸相が悪いと、メタボリックシンドロームを引き起こしやすい
掛谷和俊氏(半蔵門胃腸クリニック理事長・医学博士)は「胃相・腸相から見たメタボリックシンドローム」と題して講演。
どのような食習慣が胃相・腸相を悪くするのか。 胃相・腸相が悪くなると、メタボリックシンドロームをはじめ、脳卒中の原因となる頸動脈硬化症や虚血性心疾患などを引き起こしやすくなる。 「大腸疾患では、ポリープや憩室症、腸の粘液がねばねばと脂っぽかったり、腸壁に便汁がこびりついているような症状が見られる。腸相が非常に悪い人は、メタボリックシンドロームに確りやすい(77%)」という。
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