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アメリカで加速する肉食離れ、高まる菜食への傾倒 2013年4月14日(日)、機械振興会館(東京都港区)で、ナチュラル・ハイジーン協会会長の松田麻美子氏が、「ナチュラル・ハイジーン基礎哲学シリーズ〜健康とは何か・病気とは何か」(主催:日本リビングビューティー協会)と題して講演した。アメリカの「食」の最新事情を報告する。
動物性タンパク質の摂取量で、ガンの成長がON・OFFに 今、アメリカで、ヴィーガン(肉や乳製品など動物性食品を一切摂らない菜食主義者)やローフード愛好者が急増している。 そのきっかけとなったのが、栄養学のアインシュタインと呼ばれるアメリカのT・コリン・キャンベル博士の著した、『THE CHINA STUDY(ザ・チャイナ・スタディ)』(邦題『葬られた「第二のマクガバン報告」』)である。 「動物性タンパク質の摂取量を変えるだけで、ガンの成長をONにしたりOFFにしたりすることが可能である」。キャンベル博士はそう指摘し、肉や牛乳の動物性タンパク質がガンや心臓病などさまざまな疾患の引き金になるとし、中国における大規模疫学調査での証左を示している。 アメリカは1971年、ニクソン大統領がガン撲滅を宣言し、禁煙や食事改善によるガン戦略を国をあげて取り組む。食生活改善の一大ムーブメントは、1975年、米国議会上院のマクガバン議員らによる「健康と食物」についての2年間におよぶ世界的な大規模調査、「マクガバンレポート」が皮切りとなる。 その後、「1日に5皿以上の野菜(350g)と200gの果物の摂取を」という、「5(ファイブ)a day」運動も全米で展開、「低脂肪・高食物繊維」食が勧められた。 「不都合な栄養学」、抑圧されるキャンベル博士の主張 マクガバン議員らの偉業は、1982年、キャンベル博士らによる「食物・栄養とガン」レポートで継承、その後、国立がん研のDr.ピアソンが食品の機能性に着目した食品の栄養ピラミッド「デザイナーフーズ計画」を国家プロジェクトとして立ち上げる。 しかし、プロジェクトは道半ばで頓挫、キャンベル博士らの研究成果も米国食肉協会などからの潰しや中傷に遭い、政府の食事指針に反映されることなく葬り去られてしまう。
なぜ、キャンベル博士らの研究成果が抑圧されたのか。 「真の栄養学」に目覚めるアメリカ人 しかし2005年、アメリカで同書が発刊されるや、その衝撃的な内容に全米で一大センセーションが巻き起こる。肉や乳製品を必須のように摂ることの弊害、野菜や果物の栄養学的価値があらためて見直されることとなった。
これまで隠されていた「真の栄養学」にようやく国民の多くが目覚めたのか。今やシカゴ市長のラーム・エマニュエル氏までもが市民にヴィーガンへの転向を呼びかけているほどだ。 もはや、政府と癒着企業による栄養政策のコントロールがきかなくなっているようだ。実際、アメリカでは牛乳の売上げが、この10年最低を更新しているという。一方で、豆乳をはじめとする植物性のミルク市場が急速に拡大している。 昨年、キャンベル博士らのドキュメンタリー映画「フォークス・オーバー・ナイブズ〜いのちを救う食卓革命」が上演され、さらにアメリカで肉食離れが加速、菜食への傾倒が進んでいる。
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