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【 米国におけるサプリメント使用調査〜サプリメント評価の近況 】

米国で90年代に急伸を遂げたダイエタリー・サプリメント産業。その躍進を支え たのが、アメリカ人の健康に対する意識向上だった。ベビーブーマーたちが 中高年に達し、若返りを願い、また国民の多くが医療費の高騰や医薬品の副作用 などへの恐れから、病気で医療の世話になりたくないという予防医学・代替医療 に目覚めた。これに、1994年のDSHEA(ダイエタリーサプリメント・ヘルス教育 法)の施行が、サプリメント産業の躍進に拍車をかけた。現在、その勢いを失っ たとはいえ、150億ドルを売り上げるビッグマーケットに成長している。米国に おけるサプリメント使用調査から、代替医療としての評価について報告する。
※ダイエタリー・サプリメント:ハーブ、栄養補助食品などの健康食品、米国では一般的にdietary(食物の) saplimentと呼ぶ。

サプリメント規制、「政府規制の甘さを懸念」が7割強

アメリカ人のサプリメント使用は日常的になり、今や10人に6人は常用していると いう。2001年6月28日から7月1日まで行われたDietary Supplement Barometer Surveyでは、18歳以上の1千27人に対しアンケート調査を行っている。これによ ると、回答者の59%が何らかのサプリメントを使用していると答えた。 そのうち、46%が総合ビタミン剤やミネラルを、15%がガーリックやジンセン、 セントジョンズ・ワートなどのハーブなどを、また、8%がグルコサミン・ コンドロイチン、SAM-Eを使用していた。

使用の理由としては、「体の調子を良くするため」が72%とトップ。続いて、 「病気予防」が67%、「病気に罹ったときでも症状をやわらげたい」が51%、 「長生きのため」50%、「筋肉増強」37%、そして「体重管理」が12%。 「満足度」に関しては、72%が「非常に満足している」あるいは「満足している」 と回答。

また、757人の女性を対象にサプリメントへの考え方を調べた別のアンケート 調査では、81%が「自分たちがビタミンやミネラルを十分に摂取しているかどう かに“大変”あるいは“いくらか”関心がある」と回答した。

2000年7月に成人1千12人を対象に行った調査では、「自分自身あるいは家族の誰 かがサプリメントを使用している」との回答が54%であった。ただ、同じ調査の 「ビタミンやミネラル、ハーブ製品に対する政府規制の甘さを懸念」で、 “大変”あるいは“いくらか”の回答は73%にも上った。同じく78%が、 「製品の内容表示に間違いや不正確さが目立つ点を懸念」で“大変”あるいは “いくらか”と回答している。

「医師がサプリメントに悪感情を抱いている」が半数

ダイエタリー・サプリメントに対する信頼度を調べた別のアンケート調査に よると、「毎日使用」と回答したうちの85%が「何らかの有効性を感じている」 と答えた。ただ、多くの使用者はサプリメントに対する医師の態度に不審を感じ ており、49%は「医師はダイエタリー・サプリメントに悪感情を抱いている」 と回答。44%が「サプリメントに関する医師の知識は不足している」と感じてい る。

その一方で、消費者のサプリメント情報や知識も不足している。「ダイエタリー ・サプリメントの使用では全く害はない」との回答が53%もあった。また、 「カルシウムが最も必要なのは、閉経期後の女性層」との回答が58%った。 「鉄分を摂取する理由」では、「エネルギー増進」という回答が41%。鉄分は 赤血球を増やすためという主要な理由を知らない、あるいはその理由が全く分 からないという割合が13%あった。

「ビタミンやミネラルの摂取が必要不可欠」は女性で7割強

世代別に見るとサプリメント使用も様変わりしてくる。調査機関“StrategyOne” が2001年10月10日から17日まで行った調査では、50歳以上の成人736人を対象に した。

これによるとまず、回答者の65%は、ビタミンやミネラルの摂取が自分の年代に は必要不可欠だと考えている。特に女性はその傾向が強く、73%は「欠かせない もの」と回答。男性は55%だった。さらに、70%が、食生活で十分ではない栄養 素をビタミンなどが補っていると答えている。

また、「栄養摂取の点で食事だけでは不十分」との意見に63%が賛成している。 「どんなサプリメントを毎日飲んでいるか」との質問については、60%が総合 ビタミンと答え、ハーブは20%だった。その他、単独でカルシウムが5%、ビタ ミンEは5%、ビタミンC3%、その他のビタミンが1%あった。

また62%は、「ダイエタリー・サプリメントを買うことは健康への重要な投資」 と考えており、38%は特に強くそう思っていると答えている。

また49%は、自分の年代における正しいサプリメント知識の取得に強い関心を持っており、70%は 製品に記載されている内容表示をしっかり読んでいる。そして、「ラベルに書か れていることが、自分に適したサプリメントかどうかを判断する目安となる」と いう意見に賛成した回答が55%あった。

「ビタミン・ミネラル以外のサプリメント」使用は3割弱

この他、University of North Floridaが大学生1,000人を対象に行ったサプリメ ント調査では、ハーブやプロテイン、アミノ酸などビタミン・ミネラル以外のサ プリメントに限定したが、これによると、こうしたサプリメントを現在使用して いる割合は26.3%。

そのうち、多く使用されているのが、ジンセン、エキナセア、プロテイン・パウ ダー、アミノ酸で、16%は過去に使用した経験ありと回答した。また、8%が 亜麻タネ、プリムローズオイル、ノコギリパルメット、大豆などと答えた。

使用の理由では、最も多かったのがエネルギー増進で、ダイエット用、脂肪燃焼 と続いた。女性では体重管理とストレス軽減が最も多く、男性の場合は筋肉増強 が第一の理由だった。  

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