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【 米国「がんコンベンション」報告 】

オルタナティブ・メディスン(代替医療)によるがん治療をテーマにした第27回、米国「がん コンベンション」(がんコントロール協会主催)が4日から6日の3日間、ハリウッドのシェラト ンユニバーサルで開かれた。75のブースで健康機器や栄養食品などが展示されたほか、 代替医療を取り入れている医師ら約40人が講演。3日間の入場者数は約2千500人と、 代替医療への関心の高さがうかがわれた。コンベンションの概要を報告する。

農薬業界が政界に力、がん予防の成果があがらないのは政治のせい

基調演説で、がん予防の第一人者として世界的に著名なサミュエル・エブステイン医師 が、「がんの罹患率は女性2人に1人、男性3人に1人、また最近では子供に増えている。 米国に限らず工業先進国ではここ20年ほどで75%も上昇している」と指摘。その理由に 環境汚染や農薬による食品汚染をあげ、「全国がん協会は喫煙の減少で罹患率も減った と言っているが、減っているのは肺がんだけ」と強調した。

政府は予防できるがん要因といえる汚染の真相を市民に明らかにしていないと批判し、 「農薬業界が政界に大きな力を持っている。莫大な金額を投じているわりに『がん予防』が あまり功を奏していない裏には政治が大きくからんでいる」と指摘した。

ビタミン投与のがん治療(代替療法)で4カ月の実刑、加州政府を非難

現在、カリフォルニア州との国境、メキシコのティワナに代替医療を行っている病院が集中 している。カリフォルニア州では代替医療によるがん治療は禁じられているため開業でき ないからだ。代替医療推進派の医師らは講演の中で、カリフォルニア州は自由に治療法 を選ぶ患者の権利を侵害していると強く批判。

健康分野における消費者擁護団体「カリフ ォルニア・シチズン・フォー・ヘルプ」のフランク・カニー会長は、ビタミン投与でがんの治療 をしたために4カ月の実刑を受けたカイロプラクターの例を挙げ「代替医療を使ったばかり にライセンスをはく奪されたり罰金を科せられるのはおかしい。ティワナまで行かなくても 治療が受けられるよう、法の改正を政府に働きかけるべきだ」と呼び掛けた。

抗がん(化学)療法以外の代替療法で成果

こういった現状批判に加え、オーガニックフードを使った日本でも有名なギャリソン食事療 法を行っているティワナの「オアシスホスピタル」、同じくティワナにあるハーブによる Hoxsey療法を使った「バイオメディカルセンター」、バハカリフォルニアにある代替医療に よる総合的ながん治療に取り組む「ホスピタル・サンタモニカ」、メキシコ、日本と世界数カ 所にある代替医療総合病院「バイオ・パルス・リジュビネーションセンター」、などが紹介さ れ、それぞれの病院で治療を受け元気になった患者が感想を述べた。

悪性の小児がんと昨年七月に診断され、かなりの量の抗がん剤を使った化学療法を試み たものの効果はなく、医者から「もう手の打ちようがない。あと2、3カ月の命」と宣告された 十四歳の少年は、「バイオ・パルス」で、人為的に昏睡状態にして治療するという最新の 治療を受けており「病気になる前と同じように気分がよくなっている」と話していた。

コンベンションで話題となった代替医療

□Oxygen Therapy

呼吸酵素の研究業績に対してノーベル医学・生理学賞を受けたワールブルク・ Otto Warburg氏(1883-1970)が指摘したように、がん細胞は嫌気的解糖系の亢進があり、 乳酸が蓄積しやすい。つまり、酸素はがん細胞の活動を阻止し、細胞を破壊することがで きる。この働きを利用したのが「Oxygen Therapy」だ。

治療法としては、静脈注射でOzone insufflation、hydrogen peroxideを注入する、経口に よってhydrogen/magnesium peroxideを服用する、hydrogen peroxideとオゾンbaths(入浴) や高比重チェンバーを使うといった方法があり、これをすべて使えば体の組織は酸素づけ となり、がん細胞に致命的な影響を与える。コンベンションで紹介されたホスピタル・サンタ モニカをはじめ代替医療のメッカ、といわれるティワナに集中する病院の多くは、この療法 を取り入れている。

展示会場にあったOxygen Therapy用の高比重酸素チェンバーの見た目は、ひと一人が横 になれるモダンな棺おけのような棺。パンフレットには、血行をよくし、新陳代謝を高めること で、体内の毒素を追い出し、体脂肪を下げ、健康な細胞の機能を再現するとある。また、エ ネルギーレベルを高め、ストレスの解消にもなるそうだ。だれでも簡単に、資格もトレーニング もなしで使える。美容、高齢者防止などの目的でスパやエステなどでも広く利用されている という。

□Hyperthermia

マイクロ波を使いがん細胞の温度を上げ破壊してしまうという高温療法「Hyperthermia」。 コンピューターでコントロールしたマイクロ波をがん細胞目掛けて投射、がん細胞は華氏107 度から108度に達すると死ぬという。もちろんマイクロ波は正常な細胞にも投射されてしまうが、 正常な細胞にはしっかりとした血管が繋がっているため、そこから熱を放出でるためダメージ は受けない。高温療法が完全にがんをやっつけるというのはごくまれだが、がん細胞の分割 を阻止するという点では高い効果を示している。

□食事療法

オーガニックを使った食事療法で有名なのがギャリソン食事療法で、この病院もティワナに ある(この療法については日本語でも本が出ている)。がん予防・治療として注目されてい る栄養補助食品をいくつか上げると次の通り。

◎ビタミンD
ビタミンD不足は乳がんの罹患率を高めるといわれており、メガ投与によって乳がんの発育 を抑える。

◎Co Q-10
最近の報告によると、一日に300mg摂取することで乳房に腫瘍が集まるの危険を下げ、再 発を防止する。

◎その他
ビオフラボノイド(ビタミンP)、ビタミンC、A、E、が乳ガン予防に良いほか、サレニウムやゲ ルマニウムの有効性も報告されてる。

□ハーブ 

がん治療に対するハーブの効き目は近年、大きな関心が寄せられているのはいまさら言うま でない。効果を裏付ける科学的データもかなり出てきている。たとえば、中国でいろいろな病 気によく使われる「astragalus」もここのところだいぶ研究が進み、「免疫力を高め、ナチュラル キラー細胞を活性化し、がんを防止する働きがある」と米国の科学者らも太鼓版を押すほどだ。 自然療法による総体的ながん治療には今や欠かせない療法のひとつといえるだろう。

ハーブ療法で有名なものに、代替医療のメッカ、ティワナにあるバイオメディカルセンターの 「Hoxsey療法」がある。いくつかのハーブを調合したハーブトニックを柱に、特別ダイエット、 ビタミン、ミネラルといった栄養補助食品を組み合わせ、さらに前向きな発想を導くカウンセ リングと取り入れた療法だ。

トニックの主な成分は、レッドクローバー、burdock root 、 berberis root、 poke root、 licoriceなどのいずれも抗がん物質として知られるハーブで、 科学的にもその効き目は立証されている。健康診断、血液などの各種検査、レントゲンと、普 通の病院と同じ検査をした上、ほかの病院から患者の持ってきたメディカルレコードを参考に、 どこにがんがあるか、進み具合などすべて考慮し、一人ひとりにあったハーブトニックを作る。

ハーブで、基礎代謝の乱れている体のケミカルバランスを整えることによってがん細胞の嫌う 環境を作り上げ、がんの繁殖を差し止め最終的に殺してしまうという仕組みだ。この病院では、 ハーブ療法に加え、免疫療法、ホメオパシー、様態が非常に悪い場合は化学療法も行ってい る。

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