体内にたまった毒素は頭痛や腰痛といった不調を引き起こす。だが、空気、食べ物、
水、住宅建材などに含まれる毒素が体内に入り込むのを完全にシャットアウトする
のは不可能だ。そこで体内の毒素を大掃除する療法が注目されている。高い解毒力
で定評のハーブ・サプリメントやコロンハイドロセラピー(腸洗浄療法)について
報告する。
環境汚染で体に備わった解毒力も限界に
そもそも人間の体には、体内に侵入した毒素を追い出す働きが自然と備わっている。
たとえば、胃液に含まれる塩酸は食べ物に含まれる有害なバクテリアを殺す。腸は
毒素をキャッチして便として排出する。
リンパ系は体中の毒素をつかまえて肝臓に送り込み、肝臓は毒素を代謝し汗や尿とともに体外へ排出する――といった具合だ。
食べ物、空気中、水などに含まれる重金属や化学物質といった毒素は、人間の体内
に必ずとどまる。
Alternative Medicine Review誌2002年2月号によると、たばこを除く原因による発
ガン率は1940年以前に生まれた世代に比べ、以降の世代に増えているという。
生活環境の汚染度に、体の中の毒素の量も正比例するというわけだ。
もはや毒素が体に入り込んでいるかを問う時代ではない。どの程度体に入り込み、
どのような悪影響を与えているかを見極め、排泄のための対策を講じなくてはいけ
ない。
人間が生活環境を汚染すればするほど、酷使される体の解毒システム。体から毒を
追い出す自然のパワーにも限界がある。そこで注目されているのが体に備わった
解毒力を高めるハーブやサプリメントだ。
解毒に欠かせないハーブ・サリメント
アメリカで解毒療法に欠かせないといわれるハーブとサプリメントをまとめてみた。
○オオアザミ
肝臓の解毒力を高める一押しハーブ。抗酸化力が強く、毒素を体の外に追い出す
働きのある成分「グルタチオン」を増やす効果が科学的に立証されている。
○甘草
肝臓、副腎、免疫力の働きを高める。またマイルドな下剤としても有効。肝臓や
副腎で毒素を排出し、便で追い出す仕組みの助っ人役。ただし、高血圧患者の利用
は危険。
○ゴホウ
肝臓の解毒力を高め、血液をきれいにする働きがある。
○タンポポ
胆嚢、腎臓、肝臓の機能を高める。胆汁の量を増やし、血液を浄化し、利尿を促進
する働きがある。
○植物繊維
腸の働きを高め便通を改善。便で毒素を追い出す。
○Schisandra(チョウセンゴミシ)
強力な抗酸化作用、抗炎症作用、肝臓を守る働きなど万能ハーブとして知られる。
ただし、高血圧患者の服用は医者の相談が必要。
○プロバイオティック乳酸菌
有害な菌の増殖を抑え、腸内の細菌のバランスを正常に保つ。また、腸のぜん動
運動を活発にし、便通を改善する。
○グルタチオン
アミノ酸に似た化合物。非常に高い抗酸化力を持ち、鉛、カドミウムなどの毒素を、
肝臓や腎臓に運び込み解毒を助ける。
○セレン
抗酸化作用のほか、グルタチオンの働きを補強、発ガン物質といわれる毒素を捕らえ、
体外に排出する。
○ビタミンC
抗酸化ビタミン。喫煙や大気汚染で体の中に入り込んだ毒素を排出するという。
また、排便を促進する働きもある。
○ビタミンE
抗酸化ビタミン。毒素や酸化から細胞を守るほか、ダメージを受けた細胞を修復
する効果がある。
この他にも注目されているのが、アルカリ性水溶液。これにより、体を酸性にする
毒素を追い出す。体のpHバランスがくずれ、酸性に傾くとさまざまな不調や病気を
引き起こすのはいまや常識だ。