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【 アレルギー対策に期待高まる代替医療 】

アレルギーやぜんそくの症状緩和に代替医療(CAM)を利用する人々が増えている。 アメリカで何らかのアレルギー症状に悩んでいる人は推定で4000万人。うち約1700万 人がぜんそく患者といわれている。アレルギーやぜんそくの治療薬は数あるが、治療 にはこれといった決定打がない。それだけに、CAMで症状を緩和、と期待がかかって いる。

アレルギーでは鍼療法への関心高まる

ボストンで昨年11月に開かれた「アメリカン・カレッジ・オブ・アレルギー・ぜんそく ・免疫学」の学会で、アレルギー・ぜんそく患者におけるCAMへの関心が高まっている ことが報告された。

コロラド州のアレルギー・ぜんそく・免疫クリニックで、1998年と2004年の2回にわたり、 それぞれ患者113人と103人を対象に調査を実施。 調査結果によると、両年とも67%ほどが「CAMに関心がある」と回答。ただし、実際に かかりつけの医者にCAMを試してみたいと相談したことのある患者は、両年とも18%に とどまった。

変化が見られたのは、実際にCAM療法士を訪れた患者数で、1998年はわずか4%だった のが、2004年には10%に増加。また、1998年にはビタミン・ミネラルが最も利用度が 高かったのに対し、2004年は鍼療法だった。

また、対象の62%が既存医療とCAMの組み合わせが好ましいと回答。「既存医療だけで 十分」が8%で、「既存医療をやめて、CAMだけ」というのはわずか3%だった。

こうした状況については、ここ数年の「ナチュラルブーム」によるCAMへの関心の高まり と、年間110億ドルといわれるアレルギー・ぜんそくの医療費の高騰が、「CAMでアレル ギー・ぜんそくの症状緩和」という時代背景があると見られている。

ホメオパシーサプリメントもアレルギー症状の緩和で人気

また、ナチュラルな方法でアレルギー症状を緩和すると今、最も注目されているのが ホメオパシーサプリメント。ホメオパシーとは、病気の症状と同じような引き起こす 物質をごく少量だけ体内に入れ、自然の治癒力を高めて症状を改善するという治療法。

アレルギー治療に使われる経口薬の抗ヒスタミン剤と同じ効果があるといわれている。 しかも抗ヒスタミン剤特有の、眠くなる、頭がぼーっとするなどの副作用はまったく ない。
アレルギーの症状緩和によく使われるホメオパシーサプリメントの有効成分は――。

・目のかゆみや涙目を抑える
 シネリア、コゴメグサ、キンセンカ、フッ化カルシウム、
 塩化カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸シリカ

・鼻水を抑える
 ベラドンナ、ブロッドルーツ、レッドオニオン、ブタクサ、ワームブッシュ、camphor

・くしゃみを抑える
 sabidikka、アキノキリンソウ

・炎症を鎮める
 ウサギギク、レパーズ・ベイン(キク科の多年草)

・せきを抑える
 セント・イグナティオス・ビーン

・鼻炎特有の頭重を和らげ、せきや鼻水を抑え、目の炎症を鎮める
 Lycopodium (ヒカゲノカズラ属の草本)club moss(ヒカゲノカズラ科の各種のシダ)

MSM、アレルギー全般に効く万能選手として注目

さらに、ハーブやサプリメントも頼りにされている。アレルギー反応を起こしたときに 細胞から放出され、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどのトラブルを引き起こすヒスタミン。 オオアザミ、タンポポ、ホソバウンラン(toadflax)には、肝臓がヒスタミンを分解する のを助ける働きがあるといわれている。

また、ヒスタミン放出をブロックすると、その守備力で注目されているのがTylophora。 インド伝承医学「アユルヴェーダ」でよく使われるハーブだ。タイム、甘草、ケイ、 ジンジャーにも、くしゃみ、鼻づまりといったアレルギー症状を改善する働きがあると いわれている。

ビタミンでは、抗ヒスタミン効果で圧倒的な人気のビタミンC。さらに、亜鉛、マグネシ ウム、セレン、カルシウム、MSM (Methylsulfonylmethane)、エキナセア、ケルセチン などが、ディフェンスラインに加わっている。ちなみに、MSMは、花粉症から食品アレル ギーまで、アレルギー全般に効く万能選手として注目されているほか、炎症を抑える働き から、関節炎の定番サプリメントにもなっている。

遺伝子組み換えによるアレルゲン除去製品も登場予定

また、アレルギーの天敵といわれるストレスを解消するCAMをケアに加えている人も少な くない。バイオフィードバック、催眠療法、アロマセラピーといった療法が、症状を重く しないための定番セラピーになっている。

さらに、アレルギー対策で登場したのが「アレルゲン・フリー・フード」。遺伝子組み 換え技術で、食品からアレルギーを起こす物質を取り除いてしまおうという試みだ。 シュリンプや大豆ですでに研究が進んでいるという。

市場デビューするXデーはさだかでないが、遺伝子組み換え食品離れが進むなか、どこまで市場に食い込めるか注目の商品だ。 これといった決定打のないアレルギー対策。症状に応じて既存医療とCAMを上手に組み合わ せていく対策が、今後ますます主流になっていくといえる。

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