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【 米国立衛生研究所(NIH)のサプリメント調査研究機関(ODS)、サプリメント戦略プランの改訂版発表 】

1994年に、ダイエタリーサプリメントの規制緩和が盛り込まれた法律、ダイエタリ ーサプリメント健康教育法(DSHEA)が施行された。その翌年、ダイエタリー サプリメントに関する研究やコミュニケーションプログラムをコーディネート および実行する目的で、米国立衛生研究所(NIH)内にオフィス・オブ・ダイエ タリーサプリメント(ODS)が設立された。その後、米国における代替医療ブー ムの中で、サプリメント療法は急速に支持層を増やす中、 一方で、エフェドラなどハーブ使用の際の健康被害が生じ、DSHEAの修正を求め る声が挙がっていた。そうした中、ODSでは、ダイエタリーサプリメントの戦略 プランを打ち出していただ、この度、そのの改訂版を発表した。内容を報告する。
※ダイエタリーサプリメント:米国では、一般に健康食品の意。

サプリメントの疾患予防と健康促進に関する研究と情報伝達を推進

ODSは1998年、“Merging Quality Science with Supplement Research: A Strategic Plan for the Office of Dietary Supplement”と題された 5年にわたる戦略プランを発表した。これは、ダイエタリーサプリメントに関 するODSの活動を支え、またプログラム開発の基礎となるものであった。 しかし、その後、ダイエタリーサプリメントの世界にも様々な変化の波が 押し寄せるようになったことから、今回、オリジナル戦略プランの改訂版 (2004−2009)が上梓される運びとなった。

改訂版で示されたゴールとイニシアチブはオリジナルプランを先に進めるもの であり、疾患予防と健康促進に関する研究、教育、そしてダイエタリーサプリ メントに関する科学的情報の伝達におけるODSの重要な役割を強調したものと なっている。

医療従事者とのコミュニケーションの円滑を力説

戦略プランの作成に関わった関係者は、過去5年間のオリジナルプランの見直 しの中で、ODSはさらに一貫してプログラムプロセスを評価しており、随時発生 する課題に対応していくべきであるとしている。

改訂版では、現行のODSプログラムの進行を継続して考慮しながらさら に新しいプログラムを展開し、ODS支援団体で発生する需要の中から資金の割 り当てなどで優先順位をつけるといった作業が必要であるとしている。

また、ODSは一般消費者と支援団体に関連する医療従事者との間のコミュニケ ーションを円滑にしていくことが様々なプロセスのキーポイントになると力説 している。

この5年間でODSは多くのプログラムを立ち上げ育ててきたが、今後もプログラム の、数、規模共に増大させ、成長させていくことが期待されると結論づけている。

サプリメント同士の相互作用、有害作用の研究育成

オリジナルプランでも掲げていた5つのゴールは、以下のように研究および情報 伝達と教育を強調するものである。また、各ゴールには幾つかの提案が盛り込ま れている。
その概要は――;

[ゴール1]:疾患予防と疾患に関連する危険要因の削減におけるダイエタリー サプリメントの役割評価を拡大する。

1)DSHEAおよびオリジナルプランで確認された疾患予防および危険性低下におけ るダイエタリーサプリメントの潜在的役割査定を推進する研究を拡大する。

2)慢性疾患の予防や危険性低下におけるダイエタリーサプリメント使用の安全性 と有効性評価など、ダイエタリーサプリメントの役割を科学的根拠に基づいて 評価する研究を促進し支援するなど。

[ゴール2]:最良状態の肉体的・精神的健康、能力の維持および改善における ダイエタリーサプリメントの役割を評価する研究を育成する。

1)安全性および有効性を重視しながら、最良の健康と心身の能力維持における ダイエタリーサプリメントの役割を科学的根拠に基づいて評価する研究を促進 支援する。

2)最良の健康および能力に関するダイエタリーサプリメントの有益性や影響に 関するデータベースに加えることの出来る研究などのイニシアチブに答えて、 NIHに研究アプリケーションを提供するよう研究者を奨励する。

3)最良の健康、身体的・精神的能力追求に矛盾しない活動や状況下で、ダイエ タリーサプリメントの研究への新しいアプローチを探り育成する。

4)健康体に対するダイエタリーサプリメントと食品、薬品との相互作用、また ダイエタリーサプリメント同士の相互作用、有害事象、有用性に照準を当てた 研究を育成する。さらに、こうした相互作用に影響を受ける疾患者に対する ダイエタリーサプリメントの有用性、有害事象を調べる研究の育成にも当たる など。

サプリメントの活性成分などの分析技術の開発を拡大

[ゴール3]:生物学的システムおよび寿命におよぼすダイエタリーサプリメント の生物化学的・細胞学的影響をより理解するための研究を促進、支援する。

1)人の寿命の中で、最良の健康および能力の維持、あるいは不全における代謝 的、生理学的、心理学的過程をダイエタリーサプリメントがどのように加減す るか、あるいは変化、促進するかを調べる研究を奨励する。

2)化学的物質が有害な生化学的、生理学的、心理学的影響を生み出す方法に関 する知識を拡大するため、組織および器官システムの他に細胞以下並びに細胞 システムに関する選定ダイエタリーサプリメントの特異的行動を確認する遺伝 子学やプロテオミクスのような新技術、あるいは新興技術アプリケーションを 拡大する。

3)動植物を原料とするダイエタリーサプリメントが生物学的活動を発揮する メカニズムを理解できるような生物活性型物質、特に複合体の研究アプローチ を探るなど。

[ゴール4]:ダイエタリーサプリメント成分の科学的研究に適合する方法論の 開発および改善を促進、支援する

1)選定ダイエタリーサプリメント成分の生物学的影響のみならず、化学的、生物 学的特性の重要性を強調する民間研究所とダイエタリーサプリメント研究所との パートナーシップを支援する。

2)健康および疾患に対するダイエタリーサプリメントの役割研究を専門とする 研究者のニーズに合う特定のダイエタリーサプリメントや、その生物活性成分 を確認するための信頼できる分析技術の開発を拡大する。

3)動物実験システム、有用性および安全性に焦点を当てた臨床研究など、前臨床 研究におけるダイエタリーサプリメントの生物学的影響を見極めるための適切な 手法ガイダンスを探求、開発する。

サプリメントの有益性とリスク、一般消費者、医療関係者に情報伝達

[ゴール5]:ダイエタリーサプリメントの有益性とリスクについて、一般消費者、 医療関係者、研究者に情報を与え教育する努力を拡大、実行する

1)DSHEAで述べられているように、ダイエタリーサプリメント関連問題に関し、 DHHSなど政府機関にとっての重要情報源としての役割を果たす。

2)ODSからNIHなどの政府機関へダイエタリーサプリメントに関する情報の転送 および翻訳を促進し、学術機関、企業などによる同情報の活用を奨励する。

3)医療従事者および研究者の情報活用を増大させ、医療ケアにおけるダイエタ リーサプリメントの役割に関する研究や理解を促進する。

4)ダイエタリーサプリメントの有用性と安全性について科学的根拠に基づく再 検査を援助し、科学技術関連機関、メディア、一般消費者に向けガイドを提供 する。

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