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がん予防、「喫煙」と「栄養面での食事バランス」
セカンド・オピニオン必要が9割〜「がん対策世論調査」

日本人の疾病での死亡原因のトップは悪性新生物で、3人に1人ががんで亡くなっている。もはや国民病ともいえる様相を呈しているが、31日、内閣府は「がん対策に関する世論調査」を公表した。国民のがんに対する予防意識やがん検診の状況などが明らかになった。

20歳以上、3,000人を対象に個別面接

平成20年人口動態統計の年間推計」によると、平成20年の死亡数は、第1位が悪性新生物で34万2849人、2位が心疾患18万1822人、3位が脳血管疾患12万6944人。

悪性新生物(がん)で、男性では、肺がんが最も多く、死亡数は4万8612人。女性では、大腸がんが第1位で、死亡数は1万9589人。男性の肺がんは平成5年以降、胃がんを抜いてトップ。女性についても肺がんは大腸がんに次ぐ。

こうした中、内閣府が「がん対策に関する世論調査」を公表した。調査は全国の20歳以上、3,000人を対象に個別面接(有効回答1,935人)。実施期間は平成21年8月27日〜9月6日。

この中で、「がん」予防で、日頃から心がけていることを聞いたところ、「焦げた部分は避ける」が43.4%、「たばこは吸わないようにする」が42.7%、「偏食をせず栄養面でバランスのよい食事をする」が42.2%の順(複数回答)となった。

セカンド・オピニオンは「必要と思う」が9割

また、がん検診の必要性については、(早期発見・治療につながるため)「重要と思う」が97.4%、うち「そう思う」が85.4%、「どちらかといえば,そう思う」が12.0%。

ちなみに、「重要と思わない」は2.1%。がん検診への意識が高いことがうかがわれるが、実際の受診状態については、肺がん検診を「2年以内に受診」が42.4%。大腸がんは「2年以内に受診」が34.6%。

一方で、がんと診断された際、セカンド・オピニオンが「必要と思う」と答えた割合は89.6%と高く、情報化時代を反映してか、より多くの情報を求める傾向がうかがわれた。

「バランスの良い食事」とは

今回の内閣府による調査では、日頃のがん予防の心得で、主に「喫煙」と「食」内容に関するものが挙げられた。「食」に関わる対策では「偏食をせず栄養面でバランスの良い食事」が挙がっているが、一体、「バランスの良い食事」とはどのような「食」なのか。

食卓にのぼった色とりどりの30品目の食材が農薬や食品添加物が豊富では意味がない。問題は「食」の「質」。求められるのは、「バランスの良い(質の良い)食事」であろう。

もっとも、農薬や食品添加物のリスク分散という観点からみれば、現代人に「偏食をせずバランスの良い食事」は必須といえるが。

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